第6話

「ごめんね~センパイ。こっちについた方がどう考えても得だから」



「えっ」



「おまえら社会のつまはじきなガキは俺らに保護されてまともに生きられるんだよ」



真ん中にいる黒いスーツを着た若めの男が勝ち誇ったように言った。



「保護?ただ利用するだけだろ?男はパシリで鉄砲玉、女は売春って!」



「正解。でも頭のいいガキはその中でも大事にされるんだよ。こいつみたいにな」



「どこまで外道なんだよ」



「ハッハッハ…ひどい言われようだな。まあ俺たち極道は外道みたいなもんだから仕方ないか」


若いヤクザが続ける。


「しかしよく考えたな。たしかにここなら普通なら見つけられない。でもこのビルを俺たちが管理しているとは知らなかっただろう?」



しまった。


そこまでは考えていなかった……

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