第5話

「下を見ないようにね!」



四つん這いになり恐る恐る渡る聖美に後ろで脚立を押さえながら声をかけた。



聖美が渡ったところで次は私が渡る。



私は慣れたもんで、立ったままバランスに気を付けながら渡った。


今までもヤバイときはこうして逃げてきた。



「もう大丈夫!ここで朝まで隠れてよう!」



二人で物陰に隠れてから30分。


ガチャッ……



「誰かきた!聖美、ちょっと!」



聖美は私が止めるのも無視して物陰から出て行った。



「遅かったね」



屋上に侵入してきた者に話しかける。


そいつらは私たちがクスリをパクった相手、ヤクザだった。


その数三人。



「あんたどうして!?」

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