第70話

「どうもこうもない。邪羅威を依頼したのはこいつらだ」



アドルが鯨螺に言う。



「えっ!そ、そうなんですか!?なんで?」



「昨日からここの奴等全員を見ていた。その中で明らかにこいつらだけが邪羅威の名前、ニュースに対して異なる反応をしていた」



「は、はあ……」



「それで目をつけていたら、案の定トイレでコソコソ話していたのさ」



「嘘っ!私たちはそんなこと知らない!!」



「ほう」



アドルがニヤッとすると人差し指を立ててチッチッチッと舌打ちしながら振った。



「目の動き、発汗、筋肉の動き、呼吸、人間の心理は無意識に体に現れる。俺はどんな僅かな動きもわかる」

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