第68話
「なにが来るんだ?ん?」
アドルがそこには立っていた。
私たちを見下ろしながらニヤついている。
「別に……」
私は素っ気なく答えて顔を伏せた。
夏樹と恋華は無言だけど、体が小さく震えてる。
「フフッ…聞こえていたぞ。オイ」
アドルがどくと数人の黒服がどかどかとトイレに入ってきた。
「邪羅威に頼んだのはこいつらだ。なにか奴の情報を知っているかもしれん。鯨螺に知らせろ。時間はないぞ」
「えっ?それは?」
アドルに黒服が聞き返す。
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