第66話

風と一緒になって纏わり付く。



そう思うと、なんでもない夜の空気が香ってくる。



これが「死の香り」……




でも私の中に嫌悪感はなかった。



恐怖感もない。





何も感じない、透明の、澄み切ったような心地よさだった。

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