第五話 死の香り

第59話

夜になり、ホールに出ると黒服が私を呼んだ。



「昨日の客がまた指名してる。部屋に来てくれだとよ」


「そう」



邪羅威だ。



無事だったんだ!



邪羅威のいる部屋に向かった。



気が急いで仕方ない。



怪我とかしてないのかな?


本当に大丈夫なんだろうか?



もどかしく感じながらノックをするとドアが開いた。



ガチャッ……



「入れ」



邪羅威は私を招き入れると廊下の左右を見てからドアを閉めた。



ドアが閉まるや否や私は邪羅威に聞いた。



「怪我は!?」



「怪我?」

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