第41話

「おまえ、恐くないのか?俺が」



邪羅威がふと私に聞く。



「恐いよ。恐いに決まってるじゃん」



「そうは見えねーな」



「恐いけど嬉しいからじゃないかな」



「ん?」



「これで自由になれるんだから。みんなが」



親しい顔が浮かんだ。



夏樹に恋華。


そして日向。



「みんな?妙な言い回しだな。おまえも自由になるんだろう?」



「私はならない」



「なぜ?」



「あなたにアポ取ったヤクザがいるでしょ?そのお礼というか、代わりに囲われるの」

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