「よし、最初のエジキはあいつな」

「その次は？」

「左に行こうや」

タツヤとトシの打ち合わせは耳に入ってくる。

調子に乗って先頭にいるバカを４人で瞬殺したら２組にわかれて左側の適当なヤツを2人がかりで打ちのめす。

あとは好き勝手に暴れ回るだけだ。

大人数相手だと最初にどれだけ早く何人倒せるかで決まる。

「オイ、おまえら……」

先頭の1人が木刀をかついで話しかけてきた。

こいつらは俺達がどんな顔をしていて何人かも知らない。

４人で顔を見合わせてニヤッとすると一斉に声をかけてきた相手めがけて飛び込んだ。

距離にして２メートル、一瞬の出来事に相手がフリーズしている間にタツヤの重い前蹴りが腹に、トシが続いて髪をつかんで上向きにさせたところに俺がパンチをいれた。

キョウジは後ろでポケットからタバコを取り出している。

本当にやる気がないらしい。

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