第61話

自分が見ていたことが照れ臭かったっていうか。



なんだってこんな気分になるんだよ……




あの女、理央の言葉はなぜか胸にすうっと入り込む。



心の壁をすり抜けるように……




不思議な感じだった。





表通りにでて歩いていると前の方から知っている顔が歩いてきた。




「優希!どこ行くの?」



「なんだ、エリか」



「なんだじゃなくて!」



俺に声をかけてきたのは幼なじみの木村エリだった。




眉のあたりで前髪をそろえた黒いロングヘア。



背はスラッとしていてスタイルはいい。



大きめな猫みたいな瞳。




制服を着ているから学校帰りか。




「なんだよ、今頃帰りかよ?」



「まあね」



首をかたむけて答えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る