第57話
そう言うと私の方に向き直って
「あんた、もしかして小澤理央?」
「そうだけど」
「どこかで見たかなって思ってさ」
言いながら優希の顔がほころんだけど照れくさくなった私は話題を変えた。
「あなたお婆さん、好きでしょう?」
「はい?」
「さっきの様子を見て思ったの。あなたはお婆さんのことが好きなんだなって」
「なんだそれ?」
少し照れたような顔はまだ高校生って感じ。
「私はお婆さんって思い出ないから」
「そうなの?」
「ママのお母さんはフランスにいるからずっと逢っていないし」
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