第15話
「先生……!?」
つぶやくような私の声にトモ子も気がついた。
ソファーを立ち上がって診察室に消えていく男の子の姿に2人とも釘づけになった。
まだ高校生くらいのその子は……
亡くなった先生にそっくりだった。
背が高く整った顔立ち。
細面で長めの髪が歩くたびにふわりとゆれる。
「ウソ…… 先生!」
「理央ちゃん!!」
トモ子が止めるのも聞かずに私はその子の後を追った。
でも診察室がある場所はいくつもの番号に分けられた部屋がたくさんあって彼がどの部屋に入ったかまでは到底わからない。
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