第16話
先生が…… 先生がいる!
錯乱したように私は思いこんだ。
この部屋のどこかに先生がいるんだ!!
そのとき腕をつかまれた。
「なにしてるんだ!?」
振り返ると関森さんが厳しい表情で立っていた。
「戻ってこないからお母さんが心配してるよ!」
「でも……」
「検査も始まるからもどろう」
トモ子も私を見るとうなずいて私の手をとった。
私は何度も振り返りながらその場をあとにした。
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