第36話

地域の音楽祭での成功を収めた美咲たちオーケストラ部は、さらに大きな目標を持つようになった。演奏の経験が自信となり、彼女たちは次の活動に向けて熱心に取り組む日々を送っていた。


「次は、全国大会を目指したいね!」美咲が提案すると、部員たちの顔が輝いた。「全国大会での演奏は、きっと最高の思い出になると思う!」


「でも、それにはもっと練習が必要だよね」と友達が言い、他のメンバーたちも同意した。「私たちの演奏をもっと磨いて、全国大会に挑戦しよう!」


美咲は仲間たちの熱意に触発され、練習にさらに力を入れることに決めた。彼女たちは新しい曲に挑戦し、技術を向上させるための努力を惜しまなかった。互いに助け合いながら、少しずつ音楽に対する理解を深めていった。


そんなある日、美咲は部活動の後に悠斗と話す機会があった。「悠斗、私たち、全国大会に出るために頑張ってるんだ!」彼女は興奮した気持ちを伝えた。


「すごいね!美咲たちならきっとやり遂げられるよ。応援してるから!」悠斗の言葉に、彼女は力強く頷いた。


その夜、美咲は家で練習を続ける中、将来の夢について考えていた。音楽を通じて自分の気持ちを表現できることが嬉しく、もっと多くの人に自分たちの音楽を届けたいと強く思った。


数週間後、部員たちは全国大会への参加が決まったことを知った。美咲たちの努力が実を結び、ついに夢の舞台に立つことができるのだ。彼女たちはその喜びを噛みしめながら、これからの練習に対する決意を新たにした。


「全国大会までの道のりは長いけれど、みんなで一緒に頑張ろう!」美咲は仲間たちに声をかけ、全員が同じ目標に向かって進むことを確認した。彼女たちの絆はさらに強まり、練習は日々充実したものとなった。


そして、全国大会の開催日が近づくにつれ、美咲はますます緊張感を感じるようになった。「本当に私たちがここまで来たんだ…」美咲は自分たちの成長を感じながらも、プレッシャーに押しつぶされそうになることもあった。


「緊張してるの?」友達が心配そうに尋ねた。「大丈夫だよ、私たちが練習してきたことを信じればいいんだから!」


その言葉に励まされ、美咲は心を落ち着けることができた。仲間たちと一緒にいることで、彼女は少しずつ自信を取り戻し、音楽を楽しむ気持ちを思い出すことができた。


いよいよ全国大会の日がやってきた。美咲たちは緊張と興奮の中、舞台裏で待機していた。彼女たちの心は一つになり、これまでの努力を信じる気持ちでいっぱいだった。


「みんな、私たちの音楽を楽しんで演奏しよう!自分たちの力を信じて!」美咲の言葉に、仲間たちは力強く頷いた。


舞台に上がると、観客の視線を感じながら、彼女たちは一瞬で緊張を忘れることができた。音楽が流れ始めると、心が解き放たれ、演奏することの喜びを全身で感じた。


演奏が進むにつれ、美咲は仲間たちとの一体感を感じ、音楽に心を込めて演奏した。観客の反応を受けながら、自分たちの音楽を楽しむことができた。その瞬間、彼女はこの経験が自分たちにとってかけがえのないものであることを実感した。


演奏が終わり、観客からの拍手が鳴り響いた。その瞬間、美咲は仲間たちと共にその喜びを分かち合った。彼女の心は満たされ、夢を追いかけることの大切さを再確認した。


この経験を通じて、美咲は音楽が持つ力を再認識し、仲間たちと共に次なるステージへ進む決意を固めた。彼女はこれからも音楽を愛し続け、自分の夢を追いかけていくことを誓った。


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始まりの詩 みなと劉 @minatoryu

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