第34話

初公演を成功させた美咲たちオーケストラ部は、嬉しさと達成感でいっぱいだった。メンバーたちの絆も深まり、演奏を通じて得た経験は彼女たちにとってかけがえのないものとなった。美咲は、次のステップに進むための新たな挑戦を考え始めていた。


練習後、美咲は友達と一緒にカフェでお茶をしながら話し合った。「次はどうしようか?もっと大きな舞台で演奏できるチャンスを探したいよね」と美咲が提案すると、友達も同意した。


「そうだね!学校の文化祭で演奏するのもいいかも!」友達の意見に、美咲は目を輝かせた。文化祭は多くの人が訪れるイベントであり、自分たちの音楽をもっと広める絶好の機会だと感じた。


その日の帰り道、美咲は悠斗に文化祭で演奏することを伝えた。「悠斗、文化祭でオーケストラ部が演奏することになったんだ!ぜひ見に来てほしい!」悠斗は嬉しそうに返事をした。「絶対に行くよ!楽しみにしてる!」


文化祭までの数週間、美咲たちは新たな曲に取り組み始めた。みんなの意見を集めながら、演奏する曲を決める過程は楽しかった。さまざまなジャンルの曲が提案され、メンバーたちの個性が光っていた。


最終的に、クラシックとポップスを組み合わせたメドレーを演奏することに決まった。美咲は、自分たちの音楽を通じて観客に楽しさを届けることを目指し、日々の練習に励んだ。


練習を重ねるうちに、メンバーたちの技術も向上し、音楽に対する情熱がますます高まっていった。しかし、美咲は少し不安も抱えていた。文化祭の大きな舞台で演奏することは、初公演以上のプレッシャーを感じるものであった。


ある日、美咲は仲間たちを集めて、練習の合間に気持ちを共有することにした。「みんな、文化祭での演奏が近づいてきて、少し緊張しているのは私だけかな?」彼女の言葉に、メンバーたちは頷き合い、同じような気持ちを抱えていることを明かした。


「私も緊張するよ。でも、みんなで一緒に演奏するから大丈夫だと思う!」と友達が励まし、他のメンバーも続いた。「そうだね!私たちが練習してきたことを信じよう!」


その言葉に勇気づけられ、美咲は再び練習に力を入れることに決めた。仲間たちと共に、音楽の楽しさを共有しながら、心を一つにすることができた。彼女たちの絆は強まり、演奏することが待ち遠しくなっていった。


文化祭の日がやってくると、緊張と興奮が入り混じった気持ちで美咲は舞台に立った。観客席には友達や家族、そして悠斗が見守っている。美咲は彼らの応援を感じながら、自分の音楽を届けるために深呼吸をした。


演奏が始まると、メンバーたちとの息がぴったり合い、美咲の心は音楽に溶け込んでいった。観客の反応を感じながら、自分たちの音楽を楽しむことができた。その瞬間、彼女は自分たちの努力が報われる瞬間を実感した。


演奏が終わると、観客からの拍手が響き渡った。美咲は心からの満足感を感じ、仲間たちとともにその瞬間を噛みしめた。演奏が成功したことで、美咲はさらなる成長を感じ、次の挑戦に向けての意欲が湧いてきた。


文化祭の後、美咲たちは新たな目標を見据えて、次の活動に向けて動き始めた。音楽を通じて広がる可能性を感じながら、彼女はこれからも仲間たちと共に歩んでいくことを決意した。


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