第33話
オーケストラ部が設立されてから数週間が経ち、メンバーたちの絆はさらに深まっていった。美咲は毎日の練習を通じて、音楽を楽しむだけでなく、仲間たちと共に成長する喜びを感じていた。次第に、初公演の日が近づいてきて、彼女の心には期待と少しの不安が交錯していた。
練習を重ねるうちに、オーケストラ部はさまざまな曲に挑戦することになった。美咲はリーダーとして、各パートをまとめる役割を担っていた。メンバーたちの個性や得意な楽器を活かしながら、心を一つにすることが大切だと感じた。
ある日の練習中、美咲は部室でメンバーたちを集め、初公演の内容を発表することにした。「みんな、初公演の日が決まりました!来月の最初の土曜日です。私たちの努力をみんなに見てもらえる機会だから、頑張っていこう!」
「おお!楽しみだね!」メンバーたちの反応は明るく、期待感が高まっていくのを感じた。美咲もその熱気に刺激され、さらに頑張ろうという気持ちが芽生えた。
それからの数週間、練習はさらに本格化した。美咲は楽器のパートごとに練習を進めながら、個々のメンバーとしっかりコミュニケーションを取ることを心掛けた。時にはうまくいかないこともあったが、その度にみんなで意見を出し合い、より良い演奏を目指していった。
練習が進むにつれて、美咲は自分がリーダーとしてメンバーを引っ張っていることに責任を感じるようになっていた。時には緊張したり、不安になったりすることもあったが、仲間たちの支えが大きかった。
初公演の日が近づくにつれ、部員たちの緊張感が高まっていた。ある日、美咲は練習後にみんなに声をかけた。「今は緊張していると思うけど、私たちがここまで頑張ってきたことを信じよう。みんなで一緒に楽しむことが大切だから!」
その言葉に、メンバーたちは頷き合い、少しずつ心が落ち着いていくのを感じた。美咲はその瞬間、自分が部のリーダーとして成長していることを実感し、嬉しさが込み上げた。
ついに公演の日がやってきた。朝、美咲は緊張と興奮でいっぱいになりながら、身支度を整えた。オーケストラの衣装を身にまとい、鏡の前で自分を確認する。「今日は自分たちの音楽を楽しもう」と自分に言い聞かせた。
学校のホールは、オーケストラ部の初公演に向けて整えられ、多くの観客が集まっていた。美咲は舞台裏で仲間たちと共に待機しながら、心臓の鼓動が高鳴るのを感じた。
「みんな、頑張ろう!」美咲は仲間たちの目を見つめ、気合を入れる。全員が頷き合い、やる気に満ちた表情を見せた。
そして、ついに舞台に立つ時が来た。観客の拍手が鳴り響く中、美咲は心を一つにして演奏を始めた。最初の音が響いた瞬間、緊張が消え、彼女の心は音楽の中に溶け込んでいった。
演奏が進むにつれて、彼女は仲間たちと一緒に楽しむことを心がけた。観客の反応を感じながら、みんなで一緒に作り上げる音楽の喜びが、心に広がっていった。
公演が終わった後、美咲は仲間たちと感動の涙を流し合った。「みんな、お疲れさま!本当に楽しかったね!」彼女の言葉に、メンバーたちも大きな笑顔を見せ、心からの拍手が送られた。
初公演を成功させたことで、美咲は自分の夢への道が確かに進んでいることを実感した。音楽を通じて、仲間たちと共に成長し続けることができる喜びを、心の底から感じていた。これからの未来には、もっとたくさんの夢が待っていると確信し、美咲はその一歩を踏み出していくのだった。
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