第32話

コンクールでの成功から数日が経ち、美咲の心は新たな目標で溢れていた。オーケストラでの演奏という夢を実現するため、彼女はどのように進んでいくべきか考えを巡らせていた。


放課後、美咲は学校の音楽室にこもり、オーケストラの楽譜を開いていた。そこには、彼女が以前から憧れていた名曲がたくさん収められていた。最初は一人で練習を始めてみたが、音楽の力に支えられながら、次第に情熱が湧いてくるのを感じた。


そんな時、友達が音楽室にやってきた。「美咲、また練習してるの?何か新しい曲に挑戦してるの?」と尋ねた。美咲は嬉しそうに、オーケストラでの演奏を目指していることを話した。


「オーケストラ?すごいね!私も一緒にやってみたい!」友達の反応に、美咲の心はさらに高まり、彼女は思わず笑顔を見せた。


「ぜひ一緒にやろうよ!もっと多くの人に参加してもらえたら楽しいし、みんなで一緒に演奏できたら最高だと思う!」美咲は自分の夢が少しずつ形になっていく様子にワクワクした。


数日後、美咲は学校でオーケストラ部の設立を提案することに決めた。彼女は友達とともに、部活動の募集ポスターを作り、校内に貼り出すことにした。「音楽を楽しみたい人、集まれ!」と大きく書かれたポスターは、校内で注目を集めていた。


放課後、音楽室には多くの生徒が集まった。美咲は自分の思いを熱く語った。「私は音楽が大好きで、オーケストラを通じてみんなと一緒に楽しい時間を過ごしたいと思っています。演奏することを楽しみながら、お互いに成長できる場所にしたいです!」


その言葉に、周囲の生徒たちは賛同の声を上げ、すぐにオーケストラ部の設立が決まった。美咲は仲間と共に、自分の夢に向かって第一歩を踏み出したことを実感し、嬉しさがこみ上げてきた。


その後、美咲たちは部活動の初練習を始めることにした。新しい仲間たちと一緒に練習することができるのは、これまでの努力が報われる瞬間であった。彼女たちはそれぞれの楽器を持ち寄り、初めての合奏に挑戦した。


最初は合わない音やリズムに戸惑うこともあったが、美咲は楽しくて仕方なかった。みんなで一緒に演奏することで、少しずつ心が一つになっていく感覚があった。


練習が進むにつれて、美咲はオーケストラのメンバーたちと強い絆を築いていった。彼女たちは互いにアドバイスし合い、励まし合いながら、音楽を通じて成長していくのを実感した。


そんな中で、美咲は悠斗にもオーケストラの活動を伝えることにした。「今度、私たちのオーケストラ部の初公演があるんだ!ぜひ見に来てほしいな」とメッセージを送ると、悠斗からすぐに返信が返ってきた。


「それは楽しみ!絶対に見に行くよ。美咲の演奏、楽しみにしてる!」


その言葉に美咲は心が躍り、さらに練習に励むことを決意した。彼女の心の中には、新たな夢への第一歩がしっかりと刻まれていた。音楽の道を共に歩む仲間と、彼女を支えてくれる悠斗の存在を感じながら、美咲はこれからも大きな目標に向かって進んでいくのだった。


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