第16話

文化祭の演奏が終わった後、美咲の心は高揚感で満たされていた。ステージの上で、仲間たちと一緒に楽しんだ時間は、彼女にとって特別な思い出として刻まれていた。演奏が終わった瞬間、観客の拍手と歓声が耳に響き、心が震えるような感動があった。


「最高だったね、美咲!」と悠斗が笑顔で言った。「本当に楽しかった!」と美咲も返し、彼の表情に心が躍る。


周囲では、仲間たちが興奮しながら集まってきて、「私たちの演奏、すごく良かった!」と声を上げていた。みんなの笑顔が広がり、仲間たちの絆がさらに強まった瞬間だった。


「こんなにたくさんの人に聴いてもらえて、感謝の気持ちでいっぱいだよ」と美咲が言うと、メンバー全員が頷き合った。「これからも一緒にバンド活動を続けていこうね!」と、みんなで約束する。


その後、文化祭は他の出し物や出店でも盛り上がり、美咲たちも色々な催しを楽しむことにした。友達と一緒にゲームをしたり、屋台の食べ物を味わったりする中で、楽しい思い出がどんどん増えていく。


夕方になり、文化祭もいよいよ大詰めを迎える。「最後はみんなで花火を見よう!」と誰かが提案し、みんなで集まって花火を楽しむことになった。美咲は、悠斗と隣に座り、夜空に広がる花火を見上げながら、「今日一日、すごく楽しかったね」と言った。


「うん、本当に。美咲と一緒にいたからこそ、楽しかったよ」と悠斗が答える。その言葉に、美咲の心は嬉しさでいっぱいになった。「私も、悠斗といると特別な気持ちになる」と言うと、悠斗は照れくさそうに微笑んだ。


花火が打ち上がるたびに、色とりどりの光が夜空を照らし、美咲の心も明るく彩られていく。彼女は、悠斗と共にいるこの瞬間が永遠に続いてほしいと願った。


文化祭の帰り道、友達たちと一緒に盛り上がりながら帰る途中、美咲はふと悠斗の手を優しくつかんだ。「明日からも、もっといろんなことを一緒にやっていこうね」と彼女が言うと、悠斗は少し驚いたように目を見開き、その後にゆっくり頷いた。「もちろん、いつでも一緒にいたいよ」と言葉を返す。


その言葉に美咲はほっと胸を撫で下ろした。二人の関係が、少しずつ特別なものになっていることを実感していた。彼女はこの先、悠斗との時間がどれほど大切になるかを考え、心が温かくなる。


学校が始まると、文化祭の余韻がまだ残っていた。クラスメートたちも、演奏の話題で盛り上がり、美咲と悠斗のことを褒めてくれる。「二人はいいコンビだね!」と言われるたびに、美咲は照れくさくなりながらも嬉しさを感じた。


その日、放課後の音楽室で悠斗が声をかけてきた。「今度、別の曲をやってみない?」と提案され、美咲は興奮して頷いた。「ぜひやりたい!どんな曲を考えてるの?」と聞くと、悠斗はにっこりと笑いながら、「少し難しいけど、みんなで挑戦してみようよ」と言った。


新しい曲に挑戦することになり、美咲は気持ちが高揚していくのを感じた。バンド活動は、ただの趣味以上のものになり、仲間たちとの絆を深める大切な時間となっていた。



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