第4話

春の暖かな日差しが差し込む中、美咲は図書室で悠斗と会うことを心待ちにしていた。彼と過ごす時間が、次第に自分にとって特別なものになっていることを実感していたからだ。今日は彼と一緒に本屋に行く約束をしていた。


授業が終わると、美咲は心を躍らせながら図書室に向かう。悠斗はすでに待っていて、彼の顔を見た瞬間、心の中が温かくなった。「美咲、今日は本屋に行くんだよね?」と、悠斗は嬉しそうに声をかけてきた。


「うん、楽しみ!」と美咲は返事をしながら、彼の明るい笑顔に心を打たれた。図書室から出て、本屋に向かう道すがら、二人は自然と会話が弾んだ。悠斗が好きな本や、これから読みたい本について話していると、美咲も自分の気持ちを正直に話せるようになった。


本屋に着くと、悠斗は美咲をリードして本棚の前に連れて行った。「このシリーズはすごく面白いから、絶対読んでみて!」と彼が指差したのは、美咲が興味を持っていたファンタジー小説だった。美咲は驚き、「これ、私も気になってたの!」と笑顔を浮かべた。


本屋の中で、お互いに本を選びながら、あれこれとおしゃべりを楽しむ。悠斗の横で過ごす時間が、まるで夢の中にいるような感覚を与えてくれた。ふと、美咲は「悠斗といると、時間が経つのが早いね」と言った。


「本当にそうだね。美咲といると楽しいから、あっという間に時間が過ぎちゃう」と悠斗が笑顔で答えると、美咲の心は嬉しさでいっぱいになった。


本を選んだ後、二人はカフェに立ち寄った。飲み物を選びながら、美咲はドキドキした気持ちを抑えつつ、「悠斗、好きな作家とかいるの?」と尋ねた。悠斗は少し考え、「うーん、やっぱり〇〇って作家かな。あの人の作品はいつも心に響くんだ」と答えた。


美咲はその言葉に感心しながら、心の中で「もっと悠斗のことを知りたい」と強く思った。そして、彼に自分の気持ちを伝えたいとも感じ始めていた。カフェで過ごすひとときが、彼との距離をさらに縮めてくれるような予感がした。


帰り道、悠斗が「また一緒に本屋に行こう」と提案してくれた。その言葉に美咲は心が躍った。「もちろん!次は私のお気に入りの本も紹介するね」と返し、二人は約束を交わした。


この日、美咲は悠斗との関係が一歩進んだことを感じ、心の中で甘酸っぱい恋の予感がさらに強くなっていくのを実感した。彼との出会いが、彼女に新しい世界を開いてくれたような気がした。


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