第7話

「OK!じゃあホテルに着いたらやることは?」




「相手がシャワーをしてる間にホテルの住所と名前を理央ちゃんにメールする!でしょ?」




「大丈夫だよね?」




「うん!」




私が言うと理央ちゃんは満足そうにうなずいた。




そしてニッコリ笑うと



「いいなぁトモ子は。初体験の相手、あんな良さそうな人で」




「そんなことないよ…」




「そう?だったら私の相手とチェンジする?」




「理央ちゃんの相手?」




「40代、小太り」




私が聞くと理央ちゃんはいたずらっぽく笑って言った。




私は思わず首を振った。




「冗談!さあっ!見てるから行っておいで」




軽く背中を押されて私は歩きだした。





土曜日の午後、休みを楽しむ人混みの中で自分達だけが特別な気がした。

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