第12話

「私、そろそろ行くんで」



「良かったらその辺まで送りますよ。もう遅い時間だし」



「いえ、そんな、悪いし」



「僕の家も近いんです。ここから」




優しい笑顔……




「じゃあ…… お願い」




いつもの自分なら拒否ってるところだけど、なぜか素直に好意に甘えてしまった。




私ったらどうかしてる。




「あっ…」



歩き出したときにまだ車道にある猫の死骸が目に入った。




「どうしかしました…?もう少し休みますか?」



立ち止まった私に男子が心配そうに声をかける。

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