第10話

見ず知らずの人にこんな世話になるなんて……



自分が情けないやら相手に申し訳ないやらで……



「はあ……」



思わずため息が出た。




「顔色、よくなってきましたね。良かった」



「いえ、ありがとうございます」




なんだか恥ずかしい。



私は咄嗟に顔を伏せてしまった。



でも大分回復したのは自分でも感じる。




これでタバコでも吸えば落ち着くかな……



と、思ってバッグを開けようとした……



が、止めた。




今はいいか……

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