第3話 反米

 清州龍國は反米姿勢を鮮明にし、国際会議でアメリカ合衆国がイスラエルの肩を持つことを激しく非難した。


「アメリカ合衆国は、ただ、ユダヤの金が欲しくてイスラエルの肩を持つに過ぎない。大義は一切ない。全て口先だけで本音ではない。卑劣卑怯で浅ましいことだ。 

 2023年10月の件に関していえば、千人を超えるイスラエル人の尊い命が喪われ、ハマスの悪虐非道、卑劣な手段は最大限の非難に値する。

 しかしながら、イスラエルがガザ地区に行った反撃は余りに無差別、非人道的で、ナチスの蛮行と全く同等のジェノサイドであり、絶対に防衛ではない。

 しかも、彼らはパレスチナ人を人間動物と言った。はっきり申し上げよう、人間動物などという邪悪な言葉を遣う者こそが人間動物である。

 そもそもの原因はイスラエル人がはパレスチナ人の土地を略奪したことにある。しかも、イスラエル人はその占領地で、パレスチナ人の人権を奪い、尊厳を踏み躙った。

 この事実にいかなる言い訳も成立しない。

 イスラエル人は彼らの聖書に書かれた約束の地を取り戻したと言った。彼らはそれだけしかない理由で人を殺した。

 この罪はあまりに深い。彼らに正当であっても、他の一切の民族には悪でしかない。

 だが、イスラエルとパレスチナの分断の根源には、第二次世界大戦中の大英帝国の二枚舌外交がある。大英帝国は協力すれば、その土地を与えると約束したのだ。イスラエルにも、パレスチナにも。

 思えば、中近東以東のアジアの不幸の全ては欧米列強の侵略、植民地政策にある。

 いや、そればかりではない南米もだ。

 スペインは五千万もの南米原住民を虐殺して一言の詫びもない。ナチスの比ではない。

 それとも、何百年も前のことは時効なのか。

 ならば、韓国に訊いてみよう、数百年経てば時効が成り立つかを。彼らは否と言うであ

ろう、絶対に。

 日韓問題も含め、そもそもの不幸の根源は欧米列強の侵略にある。

 お澄まし顔で人権がどうのこうのと言っては、我らアジアンを見下して非難するが。

 虐殺者ども言われたくない。

 正しい真理を一つだけ言おう。

 報復をする権利は直截の被害者のみにあり、報復を受けるべき義務は直截の加害者のみ

にある。これは永遠の法だ。

 それに違う行動は悪であり、それに違う行動をすれば縁起の法によって、永劫に続く復讐の連鎖が始まり、その子孫は未来永劫に渡って不幸となり、永遠絶対に救われることはない」

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