6.
結局のところ、それについて語るのは無理なのかもしれません。事実、これまでそれは何でないのかということしか語れていません。だから、それが何であるべきなのかを語ります。(それが何かは語れなくても、それが何であるべきなのかは語れるでしょうから)
それ自身にとっては、それが何であるのかも、何であるべきなのかも、どちらもどうでもいいことでしょう。ただ、私たちは(人として)それが何ものでもないということに耐えられないのです。それが何ものでもないとすれば、私たちの中には何もない。そんなことは、ありうべくもありません。
私たちの中で、それは分かたれている。分かたれてはいるけど、それはひとつである。そういう意味で、それはそれなのです。
私たちの中にそれはあるけれど、それの中に私たちがいるということは決してありません。しかし、私たちの中にそれがあるとすれば、私たちの中のどこにそれはあるのでしょう?
あるいはこうも言われます。それは力なのだから、どこにあるというものではない。だから、分かたれてもいない。むしろ、それ(力)によって私たちはある。それは私たちである。
私たちはそれです。少なくとも、それの一片です。
これで終わりなのでしょうか? あるいは? それに向けて?
そういうわけで、それは命じました。
でも、誰に?
それ (-1) 井馬紫苑 @simma
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