この度は『秘密』企画にご参加いただき誠にありがとうございます。
こ、これは怖い。
まず腹部一面に広がる木苺のように膨らんだ赤い発疹。
集合体恐怖症の気がある自分などは想像するだけで怖気が走ります。
また熟れた果実のように甘い芳香を放ち、それを口にする主人公を思い浮かべると身の毛のよだつ恐ろしさに襲われました。
しかもその香りが媚薬の効果まで持ち、異性を引き寄せることになるとは全くの想像外で興味を惹かれてしまいます。
そのおかげで彼と結ばれ、幸せな生活を送れるようになったことは結果的に良かったのかもしれませんが、母親の最期を重ねるとやはりこのまま終わるわけではなさそうですね。
そしてもしかすると彼女の子供もまたこの奇妙な果実に寄生されて、同じような運命を辿ることになるのではとそら恐ろしくなりました。
さすがはハル様。
ありえないストーリーをもしかしてと思わせる自然な展開に絶妙な筆致。
できれば映像として見てみたいと思わせる珠玉の作品でした。
作者からの返信
那智様、コメントと評価、まことにありがとうございます!
とても丁寧かつ美しいご感想で感激してしまいました (T^T)
今回は何かおぞましいものが書きたい……と思って構想を練っていたら、こんな作品になりました (^^ゞ
私も集合体は苦手なほうなのですが、気持ちの悪いものほど書きたくなってしまうのですよね。
「集合体恐怖症の人は見てはいけない画像」なども、ついクリックしてしまいますし。
あっ、近況ノートにもコメントありがとうございました!
実は初稿は3000字もなかったのですが、推敲したら4003文字になり、さらに推敲したらいまの文字数になったので、ほとんど削ってはおらず……。
推敲では削るほうがよいのだろうと思いつつ、いつもそうならないのですよね (・・;
何ともエロチックな始まりかと思いきや。
そういうできものの気持ち悪さや、「いじりたい」という気持ちが真に迫って、「うっ」と思いました。
そこから、やはりエロチックな展開かと思わされ。
最後に、タイトルにある「寄生果」がこのできものであり、宿主をどうするのかという結末に至って、「ゾクッ」としました。
短い中にも伏線と回収があって、怖さが輻輳している感じが凄いと思いました。
面白かったです。
ではではノシ
作者からの返信
こちらもお読みいただき、お星様やハートまでいただき、まことにありがとうございます!
何かおぞましいものが書きたいと思っていたら、こういう物語ができあがりました。
あと、私自身かさぶたができるとつい剥いでしまうたちで (・・;
真に迫っていると思っていただけたのなら、そんな自分の性癖(⁉)を生かせたのかもしれません。
フカの湯引き、ネットでも調べてみたのですが、美味しそうですね (≧▽≦)
酢味噌というのがまた、味を引き立ててくれそうです。