第18話 逃げ道
ドアの外には、さらに多くの忍者が待ち構えていた。田熊と狗飼は一瞬怯んだが、即座に覚悟を決め、逃げ道を確保するために次の攻撃態勢に入った。
「数が多すぎるな…だが、やるしかない!」田熊は低く構え、集中を高める。
「こっちも負ける気はないぜ!」狗飼が笑みを浮かべると、二人は無言の合図を交わし、次々と忍者たちに向かって飛びかかる。
戦いは激しさを増し、田熊と狗飼は息を合わせたコンビネーションで応戦していく。しかし、数の差は大きく、少しずつ追い詰められていった。
その時、部屋の奥から鋭い声が響いた。「そこまでだ!」六平直政似の男が叫び、手を振り上げると、忍者たちは一斉に動きを止めた。
「どういうつもりだ?」田熊が険しい目で問いかける。
男は冷ややかな笑みを浮かべ、「お前たちの腕前は認める。だが、ここから先に進むには、もっと強い覚悟が必要だ」と言った。その言葉と同時に、辻希美似の女性がゆっくりと前に出てきた。
「田熊さん、狗飼さん、私も戦います。もう黙って見ているわけにはいかない」彼女の瞳には、決意の炎が宿っていた。
「…お前、本気か?」狗飼が驚きの表情を見せたが、彼女は静かにうなずいた。
田熊はその気迫を感じ取り、「いいだろう。お前も仲間だ。ここから一緒に突破しよう」と答えた。
彼女が頷くと、再び六平直政似の男が指示を出し、忍者たちは襲いかかる準備を整えた。しかし、今度は田熊、狗飼、そして辻希美似の女性が三人一体となり、連携を駆使して攻撃をかわしながら前進する。
彼らの奮闘によって、少しずつ忍者たちを押し返していき、やがて別の出口が見えてきた。
「もう少しだ…!」田熊が息を切らしながら叫ぶ。
しかし、その出口の前に、再び立ちはだかる六平直政似の男。彼は静かに刀を抜き、冷たい視線を三人に向けた。「ここまで来た以上、容赦はしない。覚悟はできているな?」
田熊は拳を握りしめ、「お前との決着をつけるのは今しかない」と低く言った。
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