志望動機
俺は高橋鎮理。この春、高校生になる。
入学する学校は毎日登校する全日制ではなく、自宅で学習する通信制課程の高校だ。
中学校での経験から学校のクラスという集団生活に馴染めなくなっていた俺にとって、他の生徒との関わりが必要最低限で済む通信制課程は最適な学校だった。
通信教育は生徒の中退率が高いという。自宅学習が続かず挫折してしまうそうだ。
その点に関して俺は中学三年の時に別室登校をしていて自習の習慣が身についていたから、卒業まで継続出来る自信はあった。
また、通信教育といっても完全に自宅で学習するわけではなく必ず学校に登校する日があるから、通学可能な学校じゃないといけない。
幸い、自宅からドアツードアで三十分程で通える通信制の公立高校があったので、そこを志望して合格した。
ちなみに入学金はたった五百円。公立が安いとはいえ、驚きのワンコイン入学。自分の選択に責任を持つために自分のお小遣いから払った。
生徒の中退率は低くないが、大学進学実績も悪いものではなかった。難関の国公私立大へ進学している卒業生が少なからずいる。例え通信教育でも本人の努力次第で結果を出せるというわけだ。
俺も出来れば大学進学したいと考えているから、先輩たちの実績は励みになる。
こうして高校入学が決まり、これからは自学自習という自分との戦いだという決意を胸にして、俺は高校に入学することになった。
そして、そこで俺は彼女と初めて出会ったのである。
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