第12話 ハーレム化への道

 目的を達成した僕たちは、カーサの町へと戻ってきた。

「久しぶりの我が家ですわ」

「休むのぜー」


 僕もお風呂に入り、みんなで食事を取り、ミャタさんに今回の顛末の報告をした。

「なるほど。『魔法使い』がいないと入れない隠し部屋か。それは確かに幻の手がかりじゃな」

「そうなんです。でもその甲斐があって、アキミとモナミは最強の能力を解放するこどが出来ました」


「カオル殿には、アキミとモナミの命を救ってくれたばかりでなく、能力開放もしてもらい、どうお礼をしたらよいのやら」

「僕は自分ができることをしたまでです。『魔法使い』として何ができるか、追及してみたいと思っています」


「そうか。当分の間、ここに滞在してくれるのじゃな」

「ここは心地が良いので、次の目標が決まるまでは滞在の許可をいただけると助かります」

「ここにいる限り、最大限のおもてなしをしようと思う」

「ミャタさんありがとうございます」


 次の朝、朝食前に、僕は中庭で太極拳の套路とうろの練習をしていた。

 30分ほど練習して、休んでいると声がかかった。


「見たことがない型だが、理にかなっている。カオル殿は武術にも精通しているのかな」

「いえ、これは簡略化されたもので、実践向きではありません。健康体操みたいなものです」

「そうか。それでも『魔法使い』であることにおごらずに、からだをきたえているのは賞賛に値する」


 「少し話さないか」とミャタさんが誘うので、ミャタさんの部屋へとついて行った。

 サキさんが冷たい飲み物を持ってきてくれた。

「さて、話というのは他でもない、アキミとモナミの事じゃ。あの2人はカオル殿を好いておる。ぜひもらってはくれぬか」


「ブーー」僕は飲んでいた飲み物を吐き出してしまった。

「きたないのう。カオル殿」

「いやいや、ミャタさん、あの2人は若すぎます。それにあの2人が僕を好いているのは、お父上殿の代わりとして好いているに過ぎません」


「それは分かっておる。それでも好意に違いはない。それに若いというが、あの2人はもう成人しておる。カオル殿の祖国では成人はもっと遅いのかな」

「僕の祖国では成人は18歳です。それにミャタさんがいれば2人には十分でしょう」


「儂では2人の父親代わりにはなれんのじゃよ」

「それは僕も一緒です」

「儂はあんなに楽しそうにしている2人を見るのは久しぶりじゃ」

「2人はいつも楽しそうですね。あの感じが当たり前だと思っていました」


「なに。すぐに手を出せと言っているのではない。これからも一緒に行動を共にして、徐々に男女の仲を育んでいけばいいのじゃよ」

「ですが……」

 色々考えるが、論理立てた反論ができない。ここは異世界である。しかも自分はチート能力をもった『魔法使い』である。


 そして『童貞』を失わない範囲でハーレムを作ろうとも決意をしている。アキミとモナミはその条件に当てはまっている。

 2人とも美少女だし、素直だ。しかも日本では中学生くらいである。

 手を出したら完全に犯罪である。3,4年もすれば、成人して結婚できる歳になるが、その時はその時に考えればいい。


 そうすると後はアキミとモナミの気持ち次第か。

「分かりました。朝食時に2人の意見を聞いてみましょう。ただし、孫は期待しないでくださいね」

「『魔法使い』なのだから、もっとやりたい放題してもよいと思うのじゃが。謙虚さもカオル殿の美徳じゃな」


 で、朝食に2人に僕の婚約者になるかと尋ねたら、2つ返事でOKをもらった。

「私、旦那様にするならカオルさんのようなお方が理想だったのです」

「カオルだったら僕も大丈夫のぜーー。お菓子もよく買ってくれるのぜ」


 アキミは理解している様だったが、モナミは勘違いしている様だった。僕から手を出さなければ大丈夫か……。

 これでハーレム化計画の第1歩が進んだという事か。


 サキ:元婚約者あり。能力『メイドの鑑(永続)』の持ち主。スカートの中に無限の収納ボックスをもっている。と思われる。

 アキミ:中学生くらい。「です、ます」口調が特徴。モナミと双子で姉。能力『最強の矛(永続)』ヴァイエイトの持ち主

 モナミ:中学生くらい。口調は「~のぜ」が特徴。アキミと双子で妹。能力『最強の盾(永続)』メリクリウスの持ち主


 これなら大丈夫だ。全員手出しNGの女性だ。これなら、ハーレムを満喫しつつ、能力『童貞(暫定)』も守れるだろう。

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