第9話 『魔法使い』の可能性
朝食時、ダンジョン攻略の作戦を伝える。
「僕が先頭で、アキミとモナミが続く。最後にサキさん。サキさんはアキミとモナミを守ることに専念して。僕は自分1人なら守れるから、心配しないで」
「カオルさん、私が先頭になった方がよくないですか? 私なら3人を守りながら戦闘をこなす自信があります」
「僕は『魔法使い』として強くなりたいのです。だから今回は戦闘を任せてくれませんか。どうしても駄目そうなら、サキさんと交代します」
「わかりました。カオルさん、決して無理だけはしないで下さいね」
「よし、とりあえず、隊列はそれで大丈夫かな。あと大切なことが1つ。アキミとモナミ。君たちには戦闘能力がない。仮に僕たちが危険になったら助けようとせずに真っ先に逃げるんだ。自分の身を第1に考えて行動する事。わかったかな。これは絶対にだよ。」
「わかりましたわ」
「わかったぜ。真っ先に逃げるんだのぜーー」
朝食を終えて、試練ダンジョンへ入るための準備で道具を揃えていた時、モナミにはお菓子をねだられた。
……ピクニックではないんだけどね。
女将に確認しておいたのですが、今日はだれもダンジョンに入る人はいないらしい。
だから先頭を歩く僕は、動くものが見えたら、速攻でファイアボールレベル2を投げまくって、敵を倒していった。
魔力は無限にあるから、魔法使い放題である。
そして何体目かのモンスターを倒した時、ノルンの声で「レベルアップしました。レベル3の魔法が使えるようになりました」と聞こえた。
ステータスを確認してみる。
穂村薫
レベル:2
職業:魔法使い
魔力:無限大
回復力:0
能力:童貞(暫定)
「ステータスに変化なしか」
ステータスといっても魔力と、回復力のみである。変化しようがない。回復力の値が上がっていないかと期待したが。
このまま回復魔法は使えないのだろうか。
自分ならまだしも、仲間の治療ができないのは、困る場面が出るかもしれない。
階段を降りてゆき、地下5階まできた。
これまで倒した敵は、ゴブリンや、スライムなど弱いものばかりであった。
確かにこれだと経験値稼ぎにも利用し辛いかもしれない。
それでも、僕が中心に戦闘をしていったらレベルがまたひとつ上がり、レベル3になっていた。
ステータスの上昇は相変わらず渋かった。
そして回復力も上がらなかった。
その代わり、魔法はレベル4まで使えるようになっていた。
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