Storm & Magma

第4章：混沌の最初の炎

ゼフィリアの嵐雲が徐々に消え始め、首都の上空にかすかな夜明けの光が差し込みました。しかし、空気中に漂う緊張感は消えることなく、まるで見えない力が都市全体を包んでいるかのようでした。戦士たちは戦いの準備に取りかかり、鍛冶屋たちは武器の製造に励み、偵察兵たちは国境から不穏な知らせを持ち帰ってきました。

玉座の間で、フルミナは雷光に包まれた王座に座り、武器嵐の槍を手に、メンタラの予言に思いを巡らせていました。もし古代の力が目覚めつつあり、この世界の均衡を脅かす存在が現れるのであれば、もはや一刻の猶予もありません。

その時、カロンが玉座の間に入ってきました。彼の甲冑は静かに電気の輝きを放っており、通常の自信に満ちた彼の表情には、どこか不安の影が差していました。

— 陛下、我々の偵察兵が、火の国の領土で異常な活動があると報告しました。マグモールの火山は通常よりも活発で、地震の揺れが我々の国境付近にまで届いているようです。

フルミナはその報告を受け入れ、深くうなずきました。

— マグモールは予想通り、力を解き放とうとしているわね。しかし、カロン、今回は彼の攻撃以上の脅威に備えなければなりません。これは我々の王国を超えた問題なのです。

カロンは慎重に言葉を選びながら提案しました。

— 他の君主たちに使者を送るべきかもしれません。この脅威が我々の想像以上に深刻であれば、我々は過去の対立を乗り越えて団結しなければならないかもしれません。

フルミナはため息をつきながら、その提案の重みを感じ取りました。マグモールと協力する考えはほとんど考えられないものでしたが、メンタラのビジョンは無視できないものでした。

— 分かったわ、カロン。使者を準備しなさい。グラシエラとマグモールにもこの脅威を警告しましょう。我々の世界を守るためには、対立を一時的に忘れる必要があります。

マグモールの鍛冶場

その頃、マグナリオンの灼熱の国では、戦士たちが準備を進めていました。深い洞窟内では戦の歌が響き渡り、その低い声が溶岩の流れる音と混じり合っていました。マグモールは玉座の間の入り口に立ち、彼の部隊が整列する様子を見守っていました。彼の燃えるような目には、揺るぎない決意が宿っていました。

アルゴスが国境からの最新情報を持って彼のもとへと進み出ました。

— マグモール様、我々の偵察兵によると、フルミナも軍を集結させているとのことです。彼女はフルグラ山に向かう準備をしているようです。

マグモールの顔には、興味深そうな表情と共に少しの不信が浮かびました。

— フルミナが救い主のように振る舞うのは相変わらずだが、今回は彼女の判断が正しいかもしれん。地の奥底で何かが蠢いている。そして、それは我々の炎だけでは抑えきれぬかもしれん。

彼はアルゴスに向き直り、さらに厳しい口調で命じました。

— 部隊を整えよ。フルミナが同盟を求めるのであれば、聞き入れることにしよう。しかし、彼女には我々と共に戦う覚悟があるか証明してもらう。

氷のエコー

遠く離れたグラシエラの王国では、氷の女王が雪山を見つめていました。永遠の静寂に包まれたこの氷の王国で、彼女はかつてないほどの不安を感じていました。平原の風は全てを凍らせる力を持っていましたが、彼女が感じる不安はそれ以上に冷たかった。

彼女の隣には、夢と影の主であるヴァレンが立っていました。彼の暗い瞳は、彼が見た不吉な未来の兆候を映し出していました。

— グラシエラ女王、時が来ました。夢の中で見たものは避けられないものです。我々はこの嵐に備えなければなりません。団結しなければ、この脅威に立ち向かえないでしょう。

グラシエラは冷静に彼の言葉を受け入れ、彼女の目は遠くの雪景色に向けられたままでした。

— そうね、ヴァレン。元素の戦争が迫っているわ。でも、その後に訪れるものは、もっと恐ろしいものかもしれない。

彼女は一瞬息を呑み、戦士たちに命じる準備を整えました。

— 戦士たちに準備をさせなさい。我々もフルグラ山へ向かうわ。フルミナとマグモールがこの戦いが全ての問題であると理解することを願っている。

影の中の存在

全ての領域の境界を越え、蔦と影に包まれた古代の遺跡の中で、古の精霊エアリソスが目を覚ましました。彼は元素の国々が恐怖に駆られて団結しようとしていることを知り、その様子に少しの愉快さを感じました。しかし、彼もまた、何か古代の力が目覚めつつあることを感じていました。

エアリソスは影の手を通して一筋の暗い軌跡を残しながらささやきました。

— 彼らは元素の力を制御することでこの世界を理解していると信じている。しかし、真の危険が何であるかを知る者は誰もいない。彼らが勝利しようが滅びようが、私はその結末を見届けよう。

彼は風と影の渦に溶け込み、この大いなる試練が訪れる瞬間を待ち構えていました。

フルグラ山での集結

数日後、フルグラ山の頂上で、三つの軍が遂に合流しました。天空と大地が交わるこの場所では、激しい風が吹き荒れ、鋭い岩が辺りに散らばっていました。フルミナの頭上では稲妻が踊り、マグモールの周囲には炎が揺らめいていました。グラシエラは冷静かつ威厳を保ち、二人を氷のような眼差しで見つめていました。

フルミナは声を上げ、その声が自然の轟きさえもかき消すほどの力を持っていました。

— マグモール、グラシエラ、この呼びかけに応じてくれて感謝します。我々は戦うためにここに集まったのではありません。我々は力を合わせるために来ました。目覚めつつある古代の脅威は、私たちの過去の争いよりもはるかに危険なものです。

マグモールは警戒心を崩さず、腕を組み、火山のような低い声で答えました。

— なぜ我々がこの同盟に加わるべきなのか？そして、フルミナ、我々が敵であり続けたことをなぜ今になって忘れられるのか？

グラシエラが冷たい声で介入しました。

— マグモール、もしこの脅威が本当であれば、我々の対立は後回しにすべきです。我々の領域と世界全体が危険にさらされています。

重々しい沈黙が場を支配しました。フルミナは一歩前に進み、決意に満ちた目で彼らに手を差し出しました。

— これが我々の同盟の第一歩です。私たちはこの世界の守護者です。この古代の力に対抗するために、団結が我々の唯一の希望です。

しばらくしてから、マグモールはフルミナの手に自分の手を置き、続いてグラシエラも同じように手を重ねました。その瞬間、元素の力が一つに結ばれ、未知の脅威に立ち向かうための準備が整いました。