第2話 つよさってなに?

 たすけられてから1週間がたち今に至る。いざ強くなるといってもよく分からない。高校2年生の今の自分をどうしたらいいのか。強くなった姿想像しようにも思いつかない。あっという間に時間は溶けて1週間が経った。幸いなことに1週間前の人喰いの件はニュースにならなくて、誰にも気にも留められなかった。今までさんざんだと思っていた孤独は考え事をするのにちょうどいい。授業中も強くなることについてずっと考えていた。

 この世界に正義のヒーローはいる。といってもニュースでたびたび取り上げられるようなエンタメ的存在で、やっていることもほぼほぼパトロールとボランティアだ。戦っているところを取り上げられたこともあったがやらせだと思っていた。でも人喰いに出会って、戦っているのはガチなんじゃないかと思い始めてきた。じゃあ正義のヒーローのようになるのを目指すべきなのか。

 それは違うか。僕が目指しているのは認められること。正義も強さの指標ではあるけど、人喰いと戦って倒したいみたいな欲望はないしそういう強さに興味ない。

 

考えても考えても出ない結論にもやもやしたまま下校時間になった。下校も一人。もう慣れた。まっすぐ帰る気になれなくて回り道をして帰ることにした。今通っている道は、いつもは通らない道でなんだかんだ半年ぶりくらいに通る。大きい通りからは少し外れているが栄えているほうだとは思う。コンビニでホットスナックを買って

食べながら歩く。

 強さってなんだよ。というか高校生はガキじゃないだろ。今更ながら人喰いに文句を言ってやりたい。

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