第8話 あおやまかい
あおやまかい。本名、相川湊(あいかわみなと)。あやねと同じ高校二年生だ。
今時の高校生という感じでリアルでも目立つ感じだが性格は良く面倒見が良いと
周りから言われる。言葉遣いがちょっとそういう感じのせいで話してない奴には
不良と勘違いされる事もある。
「港!カラオケ行こうぜ」
「ああ。その後ゲーセンな」
クラスメイト達と放課後はよく遊ぶ。かいが誘われるのは面白いとか楽しいは
もちろんだが、クラスの中でもダントツに歌がうまいのでそれを聞きたいと
男子達からも評価されていた。男子だけじゃなく当然女子からも人気でかいが
行くなら行きたいとよくついてきていた。
その為かいは周りから歌手にならないのかとかライバーにならないのかと
良く聞かれる。そのたびにやらねぇよと返事をしているが実はすでになっていた。
かいはひそかにVtuberになっていた。個人勢の中ではそれなりにファンが多く
そこでも人気になっていた。でも、かいはいつか企業に入りたりと思って色々
アピールしていた。
「それじゃまたな。配信終了っと。さて、何かきてねぇかな」
配信を終えてかいはメールを確認する。個人でも人気があると案件が来たり
するのもあるのでその確認とどこからかのスカウトとかがないかも見ていた。
実はスカウトは何件かあるがそれはまだ小さい立ち上げたばかりの企業だったり
するのでそういう所はスルーしていた。かいは大手の企業に入りたかったからだ。
大手なら大きな事もできるのでそれがやりたくてVtuberになった。
そうして活動を初めてファンが増えて話題になった頃、それは突然来た。いつも通り部屋で配信の準備をしているとDMが届いた。そこにはNWOからと書いてあった。それを見てかいは喜んだ。
「来たぁ!スカウトだよなこれ。これでやっとでかい事ができる」
すぐに返事をして返ってくるのを待った。その返事が来たのは翌日だった。一度
面接をするので来てほしいと書かれておりかいは準備をした。
学生なので日曜日に行けると言ってその日が来るの待った。当日になりいつも以上に
容姿を気にしながら整て家を出た。
会社に到着するとかいは驚いた。その大きさはいかにも一流企業という
感じがしたからだ。緊張しながらも中に入り受付を済ませた。待っている
とスタッフが来て案内された。部屋に入りそこで面接が始まった。
緊張しながらもいつも通りな感じで話した。普通の会社ではなくライバー
を育成する会社だ。配信のように見せるのが一番と思ってそのままの感じで
話していた。
それからスタジオに移動して歌を披露する。最初は緊張でうまくできなかったが
徐々に緊張もとけて本来の歌い方になりスタッフ達はうなずいていた。
その後も話をしてこの日は夕方ごろまで話し合った。
それから家に戻りやっと落ち着くかい。
「緊張したぁ!さすがにやばかったな。でも感触はあったな。他にはいかないで
欲しいって言ってたし。大丈夫だろ」
そう思いながら返事が来るまでいつもの活動を続けた。それから一週間してついに
返事が来た。それを見てかいは喜んだ。
「よっしやぁぁ!就職決まった。これで目標に近づけれるぞ」
この事を両親に話したかい。一応親には話していたのですぐに承諾してくれた。そうして自分の準備もしてからかいは再び会社に向かった。そこで色々説明を受けて
契約は成立した。すでにかいは動画サイトで収益化していて今度からは企業を通して
からになるがそれでもかいは問題なく配信を続けた。
そして情報解禁の日が過ぎたので自分の配信で重大発表をした。それからかいが
スターシンガーというグループでデビューしたのが話題になり一躍有名人になるが
周りには言ってなのでそこは少し物足りなかった。
そんな感じでかいは話を終えた。
ー
「やっぱり面白いわね。それぞれ違った所にいて違う人生なのにこうして一緒に
集まって活動するなんてね」
「そうだな。俺もグループとは思わなかったけど一人でよりはやりやすい
からよかったよ」
「私も。ソロでしたいと思ったけど不安あったからグループでよかった」
「あやねちゃんってもしかしてさ。リアルでも活動してた?」
「えっと・・・それは」
「言いたくないなら言わなくていいぜ。なんとなくは俺らも気づいてるけど
嫌なら話さなくていいし」
「かい君。ありがとう。でもいつか話すね。皆の事は好きだから」
「ありがとう。じゃぁ収録行こうかしら」
時間になりあやね達は収録に向かった。そんな話をした後だけあってあやね達の
結束は良くなっていた。それからもあやね達はよくコラボをしたりオフでも
より一緒に行動するようになった。そんな中で今度はあやねにとある話がもちかけ
られた。それはあるゲームのイベントでライバー達を集めてロールプレイをする
というゲームだ。百人ほどが集まって一緒にプレイする大型企画だ。
ゲーム自体あまりうまくないがシンガーのメンバーも参加するのであやねもそれを
承諾して練習を始めた。
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