第4話階層への適応
石崎が夫婦に頭を下げて話す。
「本日は態々店早く出して頂き、ありがとうございました。焼肉最高でした!」
夫婦は石崎からお互いを見て合って笑った。
「いやぁ若いんだから気にするな!いい食べっぷりだったぞ」
「そうね、また来てくれると嬉しいわ」
「あ…是非!」
石崎は言いたいことを言えたのでスッキリした顔をしていた。
そして辰馬はお会計をして店を出た。
「ご馳走様でした。また来ます!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
辰馬と石崎は飲食店街を歩いていた。
「ふぅ食った食った」
石崎は腹を叩きながら話す。
「そうだな。今日もダンジョン周りで見回りするとしますか!」
「前から気になっていたんだけどよぉ、なんで二階層以降に進んでいる探索者って荒っぽいのが多いんだ?」
探索者が一般的に荒っぽいと言われているのは、二階層へと進んだ連中の影響が大きい。一階層では魔力を与えられるだけだが、二階層でモンスターを多く倒すと能力が強化され性格も乱暴さが増すのだ。
「一般的には魔力濃度が強くなることで、理性が効かなくなると言われているな」
「なるほどなぁ、人間の本性が出てくるってわけかい。嫌な話だな」
「それでも半分以上は理性を抑えれてるからな、人それぞれなんだろうな」
「ここのダンジョンは二階層までしかないけどよ、辰馬は何階層まで進んだ奴とあったことある?」
「そうだな…少し前に三階層まで進んだ探索者がここで暴れてたな」
「マジか…能力も三階層からは別格に強くなるって言われてるし気をつけろよ」
「あぁ、出来る限り頑張るさ。二階層以降は国の試験が必須だって言うのに、役に立ってるのかね…」
「それなぁ、性格診断みたいなのも合ったのにな。三階層でも恐れられてるのに、四階層以降の探索者なんて化け物だぜ」
(まだ俺も会ったことはないが、四階層以降に適応した能力者は国からの監視付きとなり、脅威的な能力者になり、能力次第で銃弾も効かないこともあると言う)
「そうだな、よし俺はこの辺で見まわるから。直ぐ帰れよ」
「おう、変な奴に巻き込まれたくないからな!じゃ、また明日」
辰馬と石崎は手を振り別れるのだった。
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