第14話


「よし、んじゃどーする?」


桐鋼さんがさっきと変わらないような口調で話し始める。


それに腕を組んでいた紫桔が口を開いた。


「そうですね……まぁここはリーダーに任せます。」


彼の目が天野さんを捉える。その動きに合わせて、宵咲さんも、隅で本を閉じていた焔さんも、それぞれ天野さんに視線を向けた。


「お?俺か!」


天野さんは自分が全員の注目を集めたことを楽しんでいるように軽く声を上げた。腕を組みながら「ん〜」とわざとらしく考える仕草を見せる。


「せやな〜……黎は何したいとかあるか?」


突然名前を呼ばれた黎は、緊張のあまり肩をビクッと上下させた。


「あ……えっと……な、何でも……」


視線が一斉に自分に集中しているのが分かる。慣れない空間と、人々の存在感に気圧されて、まともな言葉が出てこない。


天野さんはそんな黎を見て、どこか安心させるような柔らかな笑みを浮かべた。


「そうか〜。」


その一言に、少しだけ肩の力が抜ける。


「黎は、正式入隊なん?仮入隊か?」


桐鋼さんが興味深そうに問いかけると、黎は慌てて返事をした。


「か、仮です……」


それを聞いた柊さんが静かに頷く。


「仮ということは、1週間ですね。」


「てことはー、まぁ建物案内よりは遊びに……いや、親睦会をやった方がいいか。」


宵咲さんが腰に手を当てながら独り言のように言う。


「遊びにって言っちゃってますよ。でも、まぁ親睦会はいいんじゃないですか?」


柊さんが肩をすくめながら口を挟むと、それに応えるように天野さんが声を上げた。


「おお!ええやんええやん!凛月はどうや?」


桐鋼さんの問いに、焔さんは一言だけ短く答えた。


「任せる。」


その言葉には、無関心のようでありながら、どこか暗黙の同意が感じられる。


「んじゃ、そうしよかー。」


桐鋼さんは楽しそうに笑いながら言った。


そして彼らは左腕につけていた時計のような物をピピっと操作し始め、どこかもっと森の奥の方へ歩いて行く。

桐鋼さんに「ついて来いや。」と言われ後ろからついていく。


「こういう時にゲート使うんだよね。」


「職権濫用ですけどね。」


宵咲さんが言ったことに柊さんが軽く皮肉を言うが、桐鋼さんは意にも介さない。


「いやいや、こういうのが新人教育ってやつや!」


そう、ガッツポーズをする桐鋼さんの後ろで焔さんは珍しく口を開いた…


「…さっきから気になってんだけど…黎の隊服は?いいんか?」


「「「あ…」」」


そう、黎の服は副隊長が隊服を支給し忘れたため、研究所にいた時のままなのであった。


この後、5人は来た道を戻って隊服を取りに行く羽目になったのでした。







__________月影のちょこっと雑談帳

第零部隊所属 /月影隊長

名前:斗鬼とき 彗雅けいが

特徴:黒髪(前髪に少しかかるくらい)・黒い白衣を着用

誕生日:10月9日

血液型:AB型

身長:184cm

好きな〇〇:甘いもの(特にショートケーキ)

      部屋の窓から隊員達の様子などを見る事

嫌いな〇〇:コーヒー・部屋を荒らす人

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