第13話

「これで大まかな説明は終わりましたね。じゃあ、あとはよろしくお願いします。」


「あ、どうもどうも。ふあ〜待ちくたびれた。んじゃ次ね。」


んあーと、湊副隊長は欠伸をしてスマホを白衣のポケットにしまった。


「えーっと、まぁ百聞は一見に如かず…じゃあ黎さ、ここにいる俺以外の4人の誰かに触ってみてよ。んでその時に触れる方の手でちょっとだけ力込めてね。なんか力む感じでいいから。誰でもいいよ。」


「お?はーいはーい!俺でええで!!」


そう言って、天野さんは手を挙げる。


なので俺は少しずつ近づいて差し出してくれた手に触れた。


が…


「…何も…起こらへんで…??」


そう、何も起こらないのだ。


「うん、そりゃそうだ。じゃあ、日凪。異能力使ってみて。」


「おん…………っ………あれ?」


桐鋼さんが両手を開いたり握ったりしても先ほどのように鋼になったりはしない。


「え、ちょっと私にも触れてみてよ。」


同じように美零さんは手を差し出す。

それを俺は桐鋼さんと同じように触れた。


そして美零さんは何かを出そうとするように、手をかざすが…何も出ない。


「あれ…出ない…何でだろ……ちょっと凛月も紫桔もやってみなよ。」


宵咲さんがそういうと、柊さんは「遠慮します。」と焔さんは腕を組みながら首を横に振った。


「だってもうわかるでしょ。黎が触れたら2人とも異能が使えなくなった。つまり、黎の異能力は『無効化』ですよ。」


「そー、正解〜。さすが紫桔、あったま良い〜。」


「きょ、恐縮です…」


湊副隊長はパチパチぱちと拍手をした。

でも、相変わらず覇気は感じられなかった。


「んま、そーゆーことで。黎の異能力はこの通り特創系の無効化だから。

さっき言った通り今日は君たちに任務が行かないように言ってあるから、ゲート使って遊びに行くもよし、ここの施設の案内するもよし。お好きにどうぞ。」


そして、湊副隊長はこちらに歩いてきて俺の肩に手をおいた。


「今日から1週間過ごして…自分でよく考えて、これからどうするか。自分で決めるんだ。何でもいいは無し。自分の人生なんだから、自分で決めなよ。んじゃ。」


と手をヒラヒラさせて俺たちに背を向けたまま湊副隊長は去っていった。














___________月影のちょこっと雑談帳

第零部隊所属/月影副隊長

名前:羽紅はぐれ 蝶亜ちょうあ

特徴:白衣&眼鏡着用・栗色のウルフカット・赤みがかった茶目

誕生日:6月16日

血液型:AB型

身長:166.5cm

好きな〇〇:人間観察・実験・お菓子作り

嫌いな〇〇:辛いもの

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