第12話

柊さんは指を4本立てる。


「強化系はその名のとおり『体を強化する類の異能力の総称』です。例えば、蝶亜さんの持っている異能力のうちの一つは『回復』なので『体を強化する』という面で強化系に当たります。そして、ここにいる日凪さんも異能力は先ほど言った通り強化系に属している『鋼』ですね。」


そういうと、桐鋼さんは右手の手首から上を鋼で覆ってみせた。


「…ご覧の通り、自分の指定した好きな部位を鋼で覆います。まぁ相手の体にも触って発動条件を満たせば鋼に変えれます。」


そこで後ろからひょこっと宵咲さんが顔を出した。が


「あれに殴られたらひとたまりも無いから、頑張って避けてね。」


「やかましい。」


「いでっ!」


頭にチョップを入れられて終わった。



「はぁ…そんで自然系は『炎や水、氷などの自然のものを使うことができる異能の総称』です。自然にあるものなら基本、生成も放出も操ることも可能です。そして、ウチの凛月の異能力は自然系に属している『炎』です。冬は結構あったかいので使えます。


次に操考系です。操考系は『精神的にも物理的にもあらゆるものを操作することができる異能力の総称』です。例えば俺の異能力。俺の異能力は相手に俺が創造した幻を見せることができます。それによって相手の注意を削いだり、自ら死に向かって歩かせることも可能なので何かと便利ですよ。

…もしかしたら、これも俺が見せている幻かもしれないんですから。」



柊さんは少しニヤッとしてこちらをみる。



「え…」



「こらっ!後輩を脅かすな!んで、嘘付くなや」


そこにすかさず桐鋼さんがまたまた柊さんの頭にチョップを入れた。

宵咲さんや、笑いそうにない焔さんもプッと笑ってる。

柊さんはチョップを入れられたところを片手で撫でて


「冗談です。」


と先ほどの調子に戻った。



「そして、残りは特創系。これは、まぁ簡単に言えばその他で『自然系や強化系にも属さない独自で作られた異能力の総称』ですこれは、美零が持ってますね。

あいつの異能力は『略奪』です。」


「りゃ…略奪…」


俺が、おずおずと言った感じに声を発すると


「はい、略奪です。美零にぴったり。」


柊さんは、表情は変わらず淡々とした様子でいう。


「あん?」


「何でも…」


それに対し宵咲さんが後ろから圧をかけると柊さんは目線を逸らしこちらを向いた。


「略奪は、その名の通り『相手の異能を略奪する異能』です。一度奪った能力は基本使えるので結構最強な技なんですけど…強い技ほど代償、縛りも大きくなるので色々と大変ですね。」





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