第11話
「じゃあ、散らばったらまずみんなの異能力を見せてあげて。最初はー、じゃあ日凪からね。どぞー。」
湊副隊長の受け答えには慣れているのか、指名された桐鋼さんは「ほーい。」と手を挙げ軽い感じで返事をする。
「俺の異能は強化系に属している『鋼』」
「…強化…系?」
強化系とは、一体なんのことなのだろうか…
何が何だかわからないという顔をしていると、桐鋼さんも、ん?という顔でこちらを見ている。
「…あれ、湊はん…黎に何も説明しとらんのですか?」
「え、あ、うん。日凪がしてくれるかなーって思って。何も。」
隣に立っていた湊さんを見ると手にスマホを持っていてゲームをしていた。
「あ、左様ですか…ほな、一から説明せなあかんな…お前らー!集合やー!」
奥にいた3人も状況を察したのかやれやれとした様子で小走りしてきた。
「えーっと…あんまし長ったらしい話は嫌いやねんけど…まず〜」
「日凪さん、あなた1番話まとめるの苦手ですよね。俺がやります。」
えー!??と後ろで上がる桐鋼さんの声を聞こえぬふりをして説明をし始める柊さん
「少し、長くなってしまうと思いますが我慢してください。
まず私たちが所属しているここは『月影』と呼ばれていて、表向きでは『探偵』として動いています。探偵の事務所は各地方に一つあり、関東にのみ二つ存在してます。
なので、まぁ探偵の方は政府公認ですが私たち異能力者の存在は非公開なので実質政府非公認です。
探偵では落とし物探しから警察が手に負えない事件まで取り扱っていて、その事件の度合いによって
探偵にきた依頼は一度全てここ。月影本部に送られ、司令塔からまず
なので、探偵は窓口のような役割をしてるんです。ここまでは大丈夫ですか?」
俺はうん。と首を縦に振る。
それを確認した柊さんは「では、続けますね。」と言って話を進めた。
「そして、俺たち月影の目的は全国範囲で犯罪を。まぁ主に誘拐や闇市を行なっている『ファントム』の実態の調査及び抹消です。
黎、ファントムこそ君を被験体として扱っていた奴らですよ。」
その名を聞いた途端、俺の心臓はドクンドクンと鳴り出した。
「ファントムも、月影の
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