第15話
その後、5人は耶雲大佐の元へ行き隊服をもらった。
「お、サイズ合うやん。」
「あ…りがとうございます…」
桐鋼さんが笑いながら見てくれる。
隊服を着る前に、宵咲さんに促されて湯船にも浸からせてもらった。
研究所では週に一回ほどのペースで水をかけられるだけだったのでこんなにゆっくりとした時間をお風呂で過ごせるのは久しぶりだ。
隊服は桐鋼さん達と同じように黒を基調にした物で黒のフード付きジャケットで丈は少し短め。肩から袖にかけて袖の部分が若干オーバーサイズになっていて胸元には月を二つ重ねたようなしたシンプルな紋章が描かれていた。
下にピチッとしたズボンではなく裾にかけてダボッとした少しオーバーサイズのズボンを履いている。ズボンにもいくつかのポケットがついている
腰にはベルトが巻かれていて、そこには皆んなが入れているような武器は入っていない。
黎は手に取ると、しっかりとした生地の感触に少し圧倒される。
これまでボロボロの手術着のようなものしか来てこなかった黎にとって、それは重厚感すら感じる特別な衣服だった。
「黎はまだ仮入隊やけどな、1週間にしろ月影の仲間に変わりはあらへん。着る資格はある。自信持ってな。」
桐鋼さんの言葉に、黎は小さく頷いた。
そして、ちょうど12時頃にもう一度寮を出て先ほどのところに向かった。
「これ、黎のアークウォッチね。」
そう言って宵咲さんから渡されたのは、先ほどみんながいじっていた左手首についている時計のような物だった。
「アークウォッチっちゅうんは、主にゲートの移動と任務の連絡に使うもんやで。後は、普通の時計にも使える。」
アークウォッチというものの説明を受けながら俺は、皆と同じ左手首にそれをつける
「ゲートっちゅうんは…えーっと…確か、全国に必ず一個あって、東京にだけ3つあるから…ご、50?…50!50箇所あるんや!そんでな、まぁいわば瞬間異動装置みたいなもんや。月影は全国各地に派遣されるからな、これで時間短縮になるんよ。」
艶のある黒い本体に、小さなデジタルディスプレイが埋め込まれている。画面には時刻だけでなく、現在位置やゲートの番号を示す表示が浮かんでいた。
「よし、んじゃ実際に使ってみるか。」
桐鋼さんがニヤリと笑いながら声を上げた。
「せっかくやし、黎もゲート体験してみぃや。」
黎は少し戸惑いながらも頷く。宵咲さんが軽く笑いながら言った。
「安心して。最初は誰でもびっくりするけど、慣れれば結構いいよ。」
「慣れるっていうか、むしろクセになるやろ。」
桐鋼さんが冗談交じりに言うと、焔さんが静かに付け加えた。
「俺はあんま好きじゃないけどな。瞬間移動は酔う。」
そんなやり取りを聞きながら、不安になりながらも黎はついて行くしかなかった。
____月影のちょこっと雑談帳
第三精鋭部隊隊長
名前:
特徴:金髪&短髪め・左耳に金色のイヤーカフを着用・世話焼き
誕生日:7月16日
血液型:A型
身長:180cm
好きな〇〇:犬・たこ焼き&お好み焼き 作り
嫌いな〇〇:計算・暗記
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