第9話

彼らは、じーっと俺のことを見る。

その彼らの目は俺の中を見透かして要るような目だった。


「ほら、自分で自己紹介しな。発声練習。」


背中をボンッと叩かれる。

でも実は、それは表向きの理由で本当は湊がただ単にめんどくさいからだと言うのは知る余地もない。


「あ…えっと。夜城…黎…です……16です。」


何を言えばいいのかもわからず、とりあえず湊副隊長から教えてもらった俺の情報だけを言う。


頭に林檎を乗せていた女の子は林檎を近くにある机の上に置いて赤茶髪の人や金髪の人が座ってるソファーへと移り、俺の前に来る。


「私は 宵咲 美零(よいさき みれい)。16だよー。よろしく〜」


とニコッと笑って言う。

ちょっと力無い声に湊副隊長にちょっと似てるなと思う。


「俺の名前は、桐鋼きりは 日凪ひなぎ。関西出身の17歳や。一応ここの部隊長をやってんで。よろしゅうな」


と言って手を差し出してくる。

握手…と言うことでいいのだろうか。と思い俺も控えめに手を出すと桐鋼さんは俺の手を掴みブンブンと上下に振った。



「よろしくお願いします、黎くん。俺は 柊 紫桔(ひいらぎ しき)、16です。」


右手を腰に当てて、その場で動かずにこちらを見る紫桔。


「おい、紫桔ー。お前そんな礼儀正しいキャラとちゃうぞ〜」


「そやそやー」


「うるさいです」


横からは野次馬が。



「焔 凛月(ほむら りつ)。好きに呼べ。」


「りっちゃん〜。ただでさえ見た目がヤンキーなんだから、口調ぐらい優しくせんと〜」


凛月の頬をツンツンツンと横から突っつく美零。


「まぁ、見るからに極悪人の容姿をしてますからね。」


ふっと鼻で笑っていたずらげに笑ってる紫桔。


「堪忍なぁ、黎。こいつ口は悪いんやけど、根は良いやつやからな。」


その様子を見て微笑ましそうに笑ってる日凪。


「うっせ。」


美零が頬をつっついていて嫌そうな顔をするも、手を払ったりしないでされるがままの凛月。



「はいはい、自己紹介終わりねー。隊服は後で耶雲あたりに用意させるから、今日1日は親睦会でもしてて。任務は他の部隊に丸投げしとくし、今から異能力の説明をするから外行くよー」


今日は任務無しと聞いてやったーと喜ぶ目の前の4人。


まだ会ってから1時間も経ってないけれど、この4人の関係性が目に見えてわかる。

みんななんでも言い合える関係性で気を許しあってる仲なんだなと…


ちょっと羨ましいなと思ってしまった。








__________月影の〜ちょこっと雑談帳


月影には第一精鋭部隊から第六精鋭部隊まであります。

彼らはぱっと見でどこの部隊に所属しているのかわかるように隊服が色で分けられています

第一部隊は白を基調として

第二部隊は青

第三部隊は黒←黎たちのいるところ

第四部隊は黄色

第五部隊はピンク

第六部隊は灰色


となっています












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