第7話

門をくぐってからは先ほどの病棟へ行く道とは違う中央をとってもっと奥へいく道を進んでいるようだ。


そして1番奥の部屋へと辿り着いて湊副隊長が扉をノック…


「あー、斗鬼(とき)〜。入っていい〜?いいよね〜。入るよ〜」


もせずにそのままガチャっと扉を開けてズカズカと中に入っていった。

おいで。と手招きをする湊に連れられ俺も中に入る。


中は、黒を基調とした簡単な部屋だった。ベッドと本棚と中央に机。後、お菓子

その後ろには少し大きめの窓でそこからは中には全体が見渡せるようになっている。


そして、今。

黒い白衣を着て両手をポケットに入れた、黒色の髪が特徴的な男の人がその大きな窓から外を眺めていた。



「斗鬼。何、黄昏てるの。」


「黄昏れてねえ。まだ、朝の7時半だっつうのに朝から騒がしいんだよ、おめえら。」


廊下側からドタドタと音が聞こえてきて、ドアから顔を覗かしたのは蝶亜副隊長と耶雲大佐だった。


「間に合いました、斗鬼さん。お菓子もお持ちしましたよ。」


「いや〜、斗鬼隊長に呼ばれるときは説教の時しかないっすからね。何事かと焦りましたけど。蝶亜さんも呼ばれてたんで、安心してこれました」


と言って頭を書く耶雲大佐。

それらの様子を見てはぁ。と斗鬼隊長はため息をついた。


そして、俺の方に目を向ける。


「それで…こいつがお前らの言ってた夜城 黎か。」


「そーそー。それでさ、黎を一旦仮入隊させようと思うんだよね。本人はどっちでもいいって言ってるんだけど、こういうのは自分で決めさせた方がいい。そのほうが後悔しても自分の選択だから納得できる。」


「斗鬼さん、ご決断を。」


「……」



斗鬼隊長の突き刺すような、全てを見透かすような漆黒色の目が黎を見ている。

明らかに、気配が違う。

まるで蛇に睨まれたウサギのように動かなくなる。


「いいだろう、許可する。そいつのことはお前たちに任せる。上の奴らに何か言われたら俺が許可したと適当にあしらっておけ。」


「りょーかい」


「はい。」


「了解です」



そして湊副隊長、蝶亜副隊長、耶雲大佐が口を揃えて言う。



「「「ようこそ、月影へ」」」






______________月影のちょこっと雑談帳


月影の隊長である斗鬼は実は苗字です。

本名は斗鬼 彗雅(とき けいが)。

結構な甘党であり、よく蝶亜にお茶とお菓子を持って来させています。

コーヒーは苦くて飲めないとかなんとか。

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