「やっぱり俺のよみは正しかった」

香月さんがそう呟いて、あたしは千秋の肩越しに後ろの景色を見た。

後ろには…

『…極連の皆さん…？』

「御名答」

『…え？なんでまた追われてるの…？』

「だって紫季ちゃん、こないだ制服着てたから。高校はバレてるし、あの日俺らと逃げたのも分かってるんだから、極連が紫季ちゃんカチ込むのも時間の問題だと思ってね」

『……あ…。』

「だから一応俺も紫季が来るのあそこで待ってたんだし」

"何か忘れらんなくて"とか調子良い事言ってたくせに！あのドキドキを返せ！

『って、どこに手回してんのよっ』

あたしの腰に回ってた千秋の手を振り払いながら、あたしは千秋の膝の上から下りた。

「紫季ちゃん、シートベルトつけてね」

香月さんのその言葉は

"これから危険な事が起こるよ"

ってサインだと解釈していいと思う。

キキキィー！！

『うわぁぁ！』

「馬鹿！早くシートベルト付けろ！」

『さっきからそうしようとしてるのに…っ手、手が震えて…っ』

「紫季大丈夫だ。俺らが、こえー事全部無くしてやるから」

千秋のその声が、呪文みたいにあたしを楽にしてくれた。

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