第15話

あの不思議な夜から一週間が経っていた。




あれから相変わらず友達に合コンに誘われてたけど、あたしはソレを断り続けてた。




香月さんや千秋たちに助けてもらって、佑真に出会って。

二度と関わっちゃダメだ、って言われて…。




―――あの後あたしは香月さんに車で送ってもらった。

後部座席に座ると、あたしの隣には千秋が座っていた。




「佑真は、あー言ってたけど、俺は個人的に紫季に会いたいんだけどな」




「こら千秋。人の車で女の子口説いてんなよ」




「別にいいだろ香月」




「よくないよ。その子の為だ。佑真の言う通りにするのが賢明だ」




香月さんがそう言うと、千秋は拗ねたように口先を尖らせた。

そのままあたしの家に車は着いて、あたしは二人に御礼を告げて車を後にしたんだ。




―――それからあの人たちには会ってない。

ていうか会えない。

何処にいるかわからないし、関わったらいけないって佑真にいわれたのを健気に守ってるあたしがいた。




どうして佑真が関わったらダメだと言ったのかは、あたしにもだいたい分かっていた。




GOLD WOLFは極連の敵だから、佑真たちと居たら、あたしが極連に狙われるかもしれないって事でしょ?

しかも…、合コンの時に顔は知られちゃってる訳だし…。




あたしは暫く大人しくしてた方がいいのかもしれない。




いや、大人しくしとこうと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る