第12話
「じゃー、香月の女?」
「違う。むしろ俺は女捨てて来た所」
「あっ、あの女捨てたんだ」
クスクス楽しそうに笑った佑真は、ソファーの背もたれを跨いであたしの隣に座った。
「佑真が来ると思ってドア開けて歩道に車横付けしてて、そん時まじ修羅場だったんだよ!」
ドア開けて歩道に車横付け…?
「そしたら、この子が入って来ちゃった訳。オマケ付きで」
じゃあ、香月さんたちはあの時この佑真って人を待ってたんだ!
なのにあたしが来ちゃったから…!
だから佑真が血だらけになっちゃったんだ!
「オマケって何?」
「極連」
佑真の質問に答える千秋も、治療が終わったようであたしの隣に腰かけた。
『ありがとう…』
「うん」
クッキリとした二重の目を細めて笑った千秋は、またポケットから煙草を取り出してそれを銜えた。
「でさ、どうして極連に追われてるの?」
そんな綺麗な顔をうっとり眺めてたあたしに佑真がそんな質問をして来た。
『…えっと、合コン…』
「………」
『…だと思ってたものが、実はヤリコンで…』
「………」
『たまってるからヤらせろと迫られ…』
「………」
『拒否して揉み合いになって、すきを見て逃げた所に香月さんの車を見つけて飛び込ませていただきました…』
「………」
あたし正直に白状し過ぎた?!
引かれてる?!
「ふはははは!」
そう焦り出した時、間を置いて佑真がケラケラと笑い出した。
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