第11話
…はっ。
まさかお家の人?!
そういえば今深夜だった!こんな時間にお邪魔したら家の人に迷惑だよね?!
ていうか千秋と香月さんは兄弟か何か?
でも顔は似てないし…
でも一緒に住んでるみたいだし…?
「…あれ?」
その時頭上から聞こえて来たのは、男の子の声。
顔を上げると、その人もあたしの顔をのぞき込んでいた。
ふんわりクセ毛風のモカブラウンの髪が、外ハネにセットされてて柔らかい印象。
パッチリとした目から延びる睫毛は女の子みたいに長くて、中性的な顔立ち。フワッと香る優しくて甘い香りがとってもその雰囲気に合っていた。
…誰…だろう。
綺麗な男の子。
「佑真!なんだよその血!」
ボンヤリと「佑真」と呼ばれた男の子を見ていたあたしは、千秋の驚いた声で現実に引き戻される。
「返り血。俺の血じゃないよ」
佑真はおっとりと穏やかな喋り方をする人みたい。
「この子、千秋の女?」
『違います』
「そんな一目散に否定しなくてもいいじゃん」
佑真の質問とあたしの返事に納得いかなかったらしい千秋が口先を尖らせた。
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