第3話

「おっと」



そんなあたしは、手を掴まれてグッと引き寄せてられてしまった。



『やッ…!』



「何が『やッ…!』だよ。ヤリコン来といてそりゃねぇよ。俺しばらくシてなくてたまってんだよ」



ヤ、ヤリコン?!

初耳――…



「あぁんッ」



さっきあたしがいた部屋から聞こえて来るのは、友達の………



『…あえぎ声…?!』



「なっ?キミの事もあれくらい鳴かせてあげるからさ」



『け、結構です!』



「遠慮――…」



『してません!遠慮してません!』



少し声を張ったあたしの口を塞ごうとする男。

あたしは思わずその手に噛み付いた。



「痛っ!てめぇ!」



パンッ!と男の平手打ちを喰らったあたしは、床に倒れ込んだ。

膝を強く打った気がしたけど、あたしは運よく男の手から逃れられる事が出来た事に気付いて、一目散に走り出した。



「待てや!」と追って来る足音。



お、追われてる!



ヤられる!犯される!



あたしは出口を出ると、すぐに大通りを走り出した。

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