第2話
…11時かぁ。
明日も学校だしそろそろ帰って寝たいなぁ。
胸まで延びた栗色の髪を
退屈そうに指先で遊ばせながらそんな事を考えていたあたしの耳に
「ねぇ、次カラオケ行かない?」
男の子の最悪な提案が届いて来た。
『…あたし帰る…ね?』
嫌だ嫌だ!
こんな野蛮そうな男の子たちとカラオケなんて絶対嫌だ!
『皆楽しんで来てね』と微笑んで適当に部屋を出て出口に向かったあたしの腕を
「駄目だよ、俺キミ狙いなんだから」
さっき正面に座っていた男の子が掴んだ。
『いや、でも終電とか…』
「バイクで送るし」
『でも明日学校だから早く寝たいんです!』
「じゃ、ラブホ行こ?泊まっちゃえばよくね?」
…ラブホ?
なんであたしが初対面の男とラブホに行かなきゃならないのよ!
『いっ行きません!』
「今迷ったっしょ?俺かなりイイと思うけど」
あなたの下半身事情なんか知りたくない!
『嫌です!』
「ヤらせてよ、いいだろ減るもんじゃねぇし」
減るよ!あたしは処女なんだよ!
「断れると思ってる?極連ナメてんのか?あ?」
申し出を断ると手のひら返したように凄んで来る男に
『さようならっ!』
律儀にも別れの挨拶をしたあたしは腕の間を擦り抜けて走り出そうとした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます