第18話
オウタロウの言葉が頭の中を行き来する。
的を外してないから余計ムカつくし焦る。
精神が緊張しっぱなしだ。
目を閉じて、自分に言い聞かす。
俺は強い。
全部忘れろ、と。
…それでも拭い切れない狂暴な感情が、俺の中にストレスを産み落として行く。
「はっ」と気付いた時には、目の前の灰皿が山盛りになっていた。
―――檻に手をかけて、ガタガタと揺らしているのかもしれない。
「俺を出せ」「俺を出せば楽になるぞ」と薄ら笑いを浮かべながら。
俺の中の狼は覚醒仕切った目で、俺の胸の内を探ろうとしていた。
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