第3話
「下がってろ。」
ナオが足音が近付いて来るドアを警戒するようにあたしを自分の後ろに隠した。
足音が大きくなって来る。
一段一段下りてくる足音。
…それが、ドアの前でピタリと止まった。
『……………。』
みんな何も喋らない。
耳をすませて、ただドアを睨んでた。
――…バンッ!
乱暴にドアが開いた。
あまりの大きな音にビクッと体を震わせてしまった。
だけど視線は絶対にドアの方に向けてた。
ドアが開いた瞬間見えたのは一人の男。
異様な雰囲気を持ってる男だと思った。
「速瀬尚斗どこー?」
その男は両脇に二人の男を連れて地下室に入って来た。
両脇の男たちは何やら刺繍が入ってるスカジャンを着てる。
多分、愚連隊なんだと思う。
「俺」
そう答えたナオを、男は上から下まで舐めるように見つめて鼻で笑って一歩一歩ナオに近付いて来る。
「いたいた。」
男を近くで見ると、短い髪を茶色に染めてて、肌の色は小麦色。
腕まくりされた素肌には、肘から指先にかけて腕に巻き付くように龍のタトゥーが入っていた。
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