僕のアトリエ
第20話
新宿三丁目駅から地下鉄に乗ること20分弱。荻窪駅に到着した。まさか3度もここへ訪れる事になるとは。今までと違うことといえば、今回は中央線ではなく地下鉄を使ったということ……いやいや、そんなことはどうでも良い。一番の違うところは真島さんも一緒にいるということだろ。
「地下鉄使っちゃったけど、定期とか都合悪かったりしなかった?」
『あ、いえ……気にしないでください』
真島さんは電車に乗っている間、特に変な様子はなかった。俺たちそれぞれに何処に住んでるんだと聞いたり、あの喫茶店は編集プロダクションが協力してるから古い本を取り揃えていて、本や雑誌、新聞を楽しみながらコーヒーが飲めるんだと教えてくれたり、ずっと取り留めのない話をしていた。俺たちがそれに適当な相槌を打っているうちに、あっという間に電車は荻窪に到着してしまい、駅から出て見覚えのあるバスロータリーを通り過ぎると、俺は自分の心が落ち着きを失っていくのを感じた。
荻窪駅前から離れ、天沼八幡通りに差し掛かった時、真島さんは喫茶店で話していたことの続きを始める。
「僕はね、あのショーパブのオーナーが大嫌いだったんだ。学生時代に僕のことを虐めていたヤツにそっくりでね。お世話になっている人の頼みだから引き受けたけど、コイツの店のデザインをするなんて気が進まないなって思っていた。だから僕はあくまで古谷さんとヨウコさんのために……ああ、ずっと話していた“僕を誘ってくれた人”が古谷さんで、“僕が恋をした人”がヨウコさんって言うんだ」
「ああ、はい」
「そう、古谷さんとヨウコさんのために、僕は仕事をしたんだ。店内のデザインだけじゃなく、ショーで使う大道具や小道具の制作、その他の雑用も自ら名乗り出てやった。決してヤツのためなんかじゃない。なのにアイツ……」
『え?』
「……ごめんね。この先は家に着いてから話すよ」
真島さんに連れられて、俺たちはつい先日も訪れた場所……彼の自宅アパート付近までやってきた。一応初めて来たていを貫きたいので、駅から結構遠いんですねー、などと反応してみる。それに対し真島さんもそれがちょっと不便なんだ、と返してきたりした。互いに相手の出方を
喫茶店で真島さんは、自分のことを俺たちに調べられていることは何となく気付いていた、と話していた。その“気付いていた”の範囲はどこまでのことを言っているのだろうか? 退勤後に画材屋と喫茶店に立ち寄るところを尾行したり、休憩室の会話で探りを入れたところまでなのか? それとも自宅の張り込み調査や、あの“立体作品”を見てしまったことまでを指しているのか……??
古いアパートによくある、鉄の階段をカツンカツンと音を鳴らせながら登り、2階の一番奥に位置した真島さんの部屋の前まで辿り着いた。改めて間近で見ると、部屋の外にまで大量に置かれた私物たちがかなり不快で不気味だ。
「ごめんねぇ、本当は人を呼べるような部屋じゃないんだけどもね。……さぁ、入って」
『お、お邪魔します』
「お邪魔します……」
いよいよ未知なる領域に突入する。ドアを開けるとすぐ近くにキッチンとユニットバスがあった。流し台には使用済みの食器が少し溜まっているようだった。まぁ、男の独り暮らしなんてこんなもんだろう。あまり自炊している雰囲気ではないが、いつだったか俺が想像した通りの立派なコーヒーメーカーがあり、キッチンの調理スペースを陣取っていた。
間取りは1Kといったところだろうか。いや、それよりも真っ先に思ったことがある。
「思ってたより、部屋の中は片付いてるだろう」
『え? あ、はい……』
「外に色々物を出しているから、近所の人からはゴミ屋敷だと思われているみたいなんだけどね。外に出しているのは制作に使った素材や塗料なんかの余りだ。部屋で保管しているとコーヒーの香りが損なわれるような気がしてね……今の作品が完成したら一旦処分しないとな」
部屋の中はゴミ屋敷ではないと確認が取れたので、
「奥の寝室なんだけど、うちの照明ちょっと変わってるから待っててくれる?」
真島さんは寝室へ繋がる横スライド式のドアを開け、何箇所かをパチパチと操作して灯りを付けた。そして……。
俺と武士が足を踏み入れたのは一般的な寝室という場所ではなく、アトリエという言葉が相応しい空間だった。
元々部屋に備え付けられていた照明は外してしまったのだろう。小さな白熱電球がぶら下がっているような照明と、部屋の中に飾られているいくつかの作品たち。それに光を当てるために置かれているスタンド照明が複数。昼間は自然光、夜は薄暗い中に時折暖色系の色味が差すように考えられて配置されているんじゃなかろうか。そして、パッと見アート以外の生活用品が全然見当たらない。布団は畳んだ状態で端に追いやられているし、食事のためだけに使うような小さな折り畳みテーブルも壁に立て掛けられている。
「なんか、生活感ないっすね」
「まぁね。アート制作とコーヒー以外は興味がないんだよ」
『あの……俺らに見せたい作品って、どれですか?』
そのアトリエには、真島さんがこれまで制作してきた物がいくつも並んでいたので、家に呼んでまで俺たちに見せたかった物が何なのか自分では判断出来なかった。
しかしながら作品群を見て感じたのは、真島さんの作風はどちらかというと個性的な部類だということだ。彫刻作品が多いのだが、かなり抽象的な表現がされていて、一目見てこれは何だ、とは判らないものばかりだ。まぁ、俺に芸術を見るセンスがないだけなのかもしれないが。
「ああ、2つあるんだけどね。まずはこっち」
そう言って真島さんは、壁に掛かった絵を指差した。立体が専門と言っていたのに、一つだけ額縁に入った絵があったので気になってはいたのだが……。しばらく絵を眺めていると、突然頭から足の先まで
『これは……ひょっとして、“ヨウコさん”じゃないでしょうか?』
「潤……?」
「凄いねぇ、川上くん。芸術を見る目があるんじゃないか? ……これを完成させたのはちょうど1年前ぐらいだったかな。僕はずっと彼女に許して欲しかったんだ、過去の罪を。罪を悔い改めるために、僕の祈りを捧げるマリアが必要だった」
真島さんが“過去の罪”について語り出した。
恩人の古谷、想い人のヨウコのためにショーパブ店内のデザインを試行錯誤していた頃のことだ。真島さんが大嫌いだと言っていたオーナーの男……名前は結城という、当時40前後の半グレ紛いなヤツだったらしいのだが、ソイツが実は真島さんがヨウコに恋心を抱いていることを知ってしまったらしく、それから何かとからかわれるようになったのだという。そして、結城から信じ難い情報を耳にする。なんとヨウコは、AV女優の経験があるデリヘル嬢だったのだ。
「いつものように冗談を言って、僕の反応を楽しんでいるんだと思った……でも嘘なんかじゃないとヤツは言った。彼女は歌舞伎町界隈では有名人だから、多少踊りが下手だろうが絶対に客を呼び寄せる。その為に採用したんだとも。僕はショックだった……聖女どころか、不特定多数の男性の相手をする人だったなんて」
真島さんは理想を
パソコン作業の
「……」
『……』
「ごめんね、引くよね、そりゃあ。でも君たちだって男なんだから、そういうのは興味あるだろ? たまたま、僕の場合は好きな人がそういう仕事をしていただけだよ」
「あの、すんません真島さん。俺らそろそろ帰っていいっすか? 作品見せてもらったし」
そう言って武士が俺の腕を引っ張り、玄関の方へ移動するよう
しかし、次の瞬間あまりの衝撃に俺たちはその場から動けなくなってしまう。
「帰るなよ!!!!」
聞いたことがないような声量で、真島さんは俺たちに怒鳴りつけた。そして俺たち2人の進行方向の前に立ち、脱出経路を塞いだのだった。
「帰っちゃ駄目だろ? 僕のこと、知りたくて調べ回ってたんじゃないのか? この近くで張り込みまでして」
『あの、それは……』
「僕の話を最後まで聞いてくれよ。聞いた上で、僕が作った作品がどう見えるか、感想が聞きたいんだ。それに、まだ2つのうち1つしか見てないだろう?」
真島さんは俺たち2人の肩を上から押して、アトリエの中央に座らせた。座らせたのはすぐに逃げられないように、ということなのだろうか。
よくよく辺りを見回すと、この空間には危険物がいっぱいあるということに気付く。立体作品を生み出すために使う用具の中には彫刻用の刃物や、削り作業の時に使う木槌などもある。普通に考えれば制作用具としての役割しかないが、場合によってはこれらを凶器にして人を殺すことだって可能なんじゃないか?
これ以上彼の逆鱗に触れると何をしでかすかわからない。俺たちは大人しく、真島さんの言われた通りにするしかなかった。
「……続けるね。そこのショーパブは無事オープンする事になったんだけど、思っていたより客が入らなかったんだ。まぁ、オーナーが結城だったからな。客層もアイツと同じような、品性のないヤツばかりだった。古谷さんやヨウコさんが真剣に作り上げた本格的なショーはお望みじゃなかったんだよ。ショーの内容を下品なものに変えるように結城が古谷さんに注文付けてきたみたいだが、古谷さんはそれに反発した。2人の意見はずっと平行線のままで
「消した……?」
「そう、“消した”んだよ。生きてるのか死んでいるのかは判らない。兎に角、社会から抹殺されてしまったんだ。結城は反社との付き合いがあったから、そんなのお手の物だったんだよ」
結城の企みによって姿を消してしまった古谷。ショーパブの運営方針も変わり、風俗紛いなサービスありきのステージが考案される。だが、恋人が一から作り上げたショーを守りたいヨウコは断固反対し、他のショーキャストと共に結城と対立する。そしてそんなヨウコは、ついに“見せしめ”として酷い仕打ちを受けてしまうのだった。
「ある日、僕は結城に車の運転を頼まれた。ヨウコさんを家まで迎えに行くから、と。ショーキャストの1人を迎えに行くにしては、付き添いの人数が多いなと思ったんだ。しかも顔馴染みのない男ばかりだった。そして、ヨウコさんが住んでいたマンションの前に差し掛かると、突然同乗していた男たちが覆面を被って車から出て行ったんだ。俺は結城に、一体何をするつもりなのか問い詰めた。すると結城は気持ち悪くニヤニヤ笑いながら、“
“粛清”とは、婦女暴行することだった。結城の後に続き、遅れてヨウコの部屋に辿り着いた真島さんは、先程の覆面の男たちに拘束され、目と口をガムテープで塞がれたヨウコが、まさに今から襲われるところであるのを目にする。オーナーの言うことに従えない女はこうなると思い知らせるためだと、結城はケラケラ笑った。
真島さんは暴行を止めるために近づこうとするも、結城に外へ連れ出される。そして真島さんの胸ぐらを掴み、耳元で囁かれた。
“お前も共犯なんだよ”
“俺は知ってんだぞ? お前が隠れてヨウコのAVをオカズにシコってること”
「何故、結城が僕の秘密を知っていたのは判らない……僕のノートパソコンを勝手に覗いたのかもしれないし、実はハッタリだったのかもしれない。
『……』
「正直、その時のことは記憶が曖昧なんだ。まるで夢の世界にいるかのように頭がフワフワしていた。……でも意識がハッキリした時、僕は下半身剥き出しの状態で、ベッドには精液まみれで気を失っているヨウコさんが横たわっていた」
一気に語り切った真島さんは、俺らと同じように床に座り込んだ。
真島さんは膝をついて座り直し、自作の聖母・マリアの絵に向かって呟いた。
「僕はあの日の自分の罪がずっと許せなかった。どうしたら、この苦しみから解放されるんだろうと考え続けた。そして辿り着いた答えがこの作品さ。僕の記憶の中のヨウコさんをイメージして描き上げた。そうしたら聖母・マリアになったんだよ! 僕はこの絵に祈りを捧げ続ければ、いつしか罪の意識から解放されるんじゃないかって信じてるんだ。だってヨウコさんは、慈悲深い聖女なんだから。……これがこの作品が生まれることになった背景だ。この話を聞いた上で、君たちはこの作品を見てどんな感想を持つ?」
「え? 感想っすか……」
突然話を振られて、武士は戸惑っているようだった。さっき
『全然なんも感じないっすよ、真島さん』
「ちょ、潤……お前なぁ」
武士が慌てて俺を制そうとするが、構わずに言葉を続けた。だって真島さんは、率直な感想を聞きたがってるんだからよ。
『例えクソオーナーに脅されてたとしても、あんたは好きな人に卑怯な手で近付き、暴行した。そんな罪が許されるわけないじゃないっすか。一生苦しむしかないんですよ……こんな絵を描いて祈りを捧げたって無駄ですよ。それこそオナニーなんですよ、真島さん』
俺が自分の意見を言い終わると、真島さんは小さな声でそうか、と呟いた。俺が述べた感想を残念がっているのかもしれないが、どちらかと言うとずっと誰にも言わずにひた隠しにしてきたことを告白してスッキリした……そんな風にも見える。こんなガキが偉そうにすみません。警察にチクったりしないんで、どうか一生掛けて反省してください。
しばらくして、真島さんは気を取り直したかのように立ち上がった。
「さて。次の作品を見せる前に、さっきの話の続きをするね。実はあれで終わりじゃなかったんだ」
『まだ胸糞悪い話の続き、するんすか……』
「暴行の話はあれで全てだよ。その後の後日談だ。ヨウコさんはあの事件の後しばらくして店を辞めてしまったんだ……僕はホッとした。店に残られてしまったら彼女と顔を合わせることになるからね。古谷さんもヨウコさんもいなくなってしまったあのショーパブに、もう用はない……僕もあの店には関わらないよう、姿を消したんだ。色々あって疲れてしまった僕は、それからは数年間ずっと日雇いのバイトで食い繋いでいた。毎回違う現場で、違う人間と働くから
真島さんはとある作品の前まで移動した。正確には“作品”であるかはまだ判らない。何故なら、それには布が被せられて見えないようにしてあるからだ。ふと、俺の頭に嫌な予感が過ぎる。布が被さっている物体の大きさが、以前窓の外から確認した“あれ”と同じぐらいのような気がするのだ。じっとりと、汗が俺の背中を伝っていくのを感じる。
「日雇いの派遣バイトなんてものすごい人数が登録しているし、派遣会社も山程あるだろ? なのに……俺はあの日、倉庫の現場でアイツ……結城と再会してしまったんだ」
真島さんは既に何度か来たことがある、大型物流倉庫の現場に入った時に偶然にも結城と再会してしまったのだそうだ。普段から大人数派遣される現場で、バイト同士の関わり合いなど皆無な筈なのに、なんという運命の悪戯だろう。
結城はすぐに真島さんを見つけ、勤務終了後飲みに付き合うように誘われてしまう。ショーパブ時代から結城は真島さんのことを何かと便利な子分のように扱ってきた。今回もまた何か良からぬことを企んでいるのだろうかと勘繰りつつも、真島さんは断り切れず付き合うことにしたのだった。
お酒が飲めない真島さんは居酒屋でずっと烏龍茶を飲みながら、結城の近況話を聞かされ続けた。どうやら結城は人から追われる身になってしまったらしい。せいぜい関わっていた反社会組織に恨まれることでもしでかしたのだろう。経営していたグループ会社をほっぽり出し、日雇いの仕事を転々としながら身を潜めているとのことだった。
「居酒屋を出た後、泥酔していた結城は僕の家に泊めろと言ってきた。だから仕方なく、この家に連れて来た」
「この家に、っすか……」
「そう、この家」
武士は必死に余裕である雰囲気を演出しているが、相槌の声が震えているのが判る。
益々嫌な予感センサーが働き、俺にひたすら警戒命令を出してきている。
「勝手に僕の布団に寝転び、眠りにつく前にダラダラとまたくだらない話を始めたんだ。日雇いの仕事だけじゃ大して金にならないから、何か副収入を得られるようなことをしたいと言い始めた。例えばナンパした女性とのセックスを盗撮し、裏で売り
『直接の退職原因……?』
「あの暴行事件のせいで、彼女は妊娠した。だからショーパブでは用無しになったんだ」
「なっ……」
望まない妊娠をしてしまったヨウコは、それでも堕ろすという選択をしたくなかったのか、出産準備のために生まれ故郷の岡山へ帰って行ったのだという。果たして本当に出産したのか、それともそうではないのか……結城はそれ以上のことは知らないようだった。古傷を
“妊娠したのが、お前の子供だったらいいよな? もし憧れの女の種馬になれてたんなら本望だろ?”
「結城は話したいだけ話して眠ってしまった。元々泥酔していたからな。僕はヤツが深い眠りについたのを確認して……」
「あの、真島さ」
「自分でも驚いたよ、あんな簡単に息の根を止められるなんてね!! 普段なら僕がアイツを力でねじ伏せるなんて不可能だ。でもあれだけ無防備な状態だとなぁ? ……その後僕は信じられない程冷静だった。死体は運びやすいように解体していくつかの
『真島さん!!』
「さぁ、よく見てくれ川上くん。覗き見するんじゃなくてね?」
ゾワッと悪寒がしたのも束の間、真島さんは物体に被せてあった布を取り払い、2つ目の立体作品を俺たちの目の前で公開した。
そう、“あれ”だった。これは紛れも無く、本物の人……結城の頭蓋骨で作られたアートなのだ。あの時見たのと同じピンク、金色、黒のカラーリングが施された頭蓋骨が、埋められていた土の中から出て来たかのような……そんな立体作品に仕上がっている。実際に見るのが初めてな武士は腰を抜かしてしまっていて、2度目の俺も恐怖のあまり言葉を失った。そんな俺たちとは裏腹に、真島さんは生き生きと、作品解説をしている。
「綺麗な白骨になってくれるまで時間が掛かったよ……でも待った甲斐があった。お陰で素晴らしい素材になったんだから!! ベースが黒のベタ塗りで、その上からピンクや金色を足したんだ。骨に色を塗るのは僕も初めての経験だからね、塗料の選定には苦労したよ。結局はスプレー塗料がムラもなく耐久性も優れているっていうことがわかって、基本はスプレー、細かい部分はアクリル絵具を使って仕上げたんだ。この3色の絶妙な混ざり具合、クズ野郎が金と色欲に支配されている
真島さんが俺たちに一歩近づき、作品の感想を求めてくる。俺たちは近づかれた分、床にケツを付けたまま
「あの、俺ら絶対に、人に話したりなんかしませんから……」
「南野くん違うよ? 感想を聞いてるんだよ、僕は。さっきも何も言ってくれなかったよね? ……ねぇ、川上くん。君はどう思う? 君の感想を聞かせてよ」
『お、俺は……』
また一歩俺たちに近づき、真島さんはしゃがんで俺の目をじっと見つめてくる。作品の感想なんて、何もねぇよ……兎に角俺は、あんたが怖くて仕様がない。
真島さんの瞳は黒く濁っていて、一切の光も宿らない。別に声優になれなくたっていい、頼むから……俺を生きたまま、ここから出してくれ。
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