第3話

テウスとアクラはそのまま教会孤児院の小部屋でボードを眺めていた。

「スキル【スキル】か。スキルを管理するスキルってなんだ?」

「えっと、それは、実際使ってみれば理解できるんじゃないですか?」

「使うってどうやって使うんだ?」

「さぁ、知りませんね。唱えてみてはいかがですか?」

「唱える………か。こうかな?【スキル】!」

すると、眼の前に、ボードによく似た色合いで、本の周りに円と小さな複数のマークが有る、さっきできたアザに似ている物が出てきた。

すると、メッセージウィンドウが出てきた。

『スキル【スキル】の説明を読みますか? Yes/No』

いや、この状況で読まないやつがいるか?僕はすぐにYesを押した。


『あなたのスキル【スキル】は自分や周りのスキルに干渉し、管理するスキルです。

【スキル】には合計4つの能力があります。

1つ目は【干渉】。他人のスキルを見たり、そのスキルに対して干渉することができます。

2つ目は【追加】。もともとなかったスキルなどを自ら編み出すことができます。【干渉】と同時使用し、他人に付与することもできます。

3つ目は【削除】。もとあるスキルを削除することができます。【干渉】と同時使用し、他人のスキルを消すこともできます。

4つ目は【具現化】。スキルを道具型や生物型として具現化したり戻すことができます。【具現化】を使用したスキルは完全に別個体となるため、ダメージも別個体としてカウントします。

説明は以上となります。しっかり使いこなしてください。』


適当な言葉だけを残してメッセージウィンドウは消えやがった。

ていうかさ、

「強すぎん?僕のスキル。」

「いいね。」

「うゎっ!」

俺の横に、アクラじゃない見たことのない"盾を持った"美少女が立っていた。

「スクティス。テウスのパートナー。」

美少女――スクティスが言った。うん。かわいい。

「パートナー?いやいや、僕のパートナーはアクラだよ?」

「アクラ、パートナー。スクティスも、パートナー。」

何この子。可愛すぎへんか!?

「テウス様、大丈夫ですか!?顔が真っ赤ですよ!?熱でもありますか!?」

アクラが飛びついておでこを触ってくる。あははは、優しい。いや、恥ずくて余計顔赤くなるんすけど。

「アクラありがとう。大丈夫。だけど、どういうこと?パートナーを二人(?)持ちとか聞いたことないよ?」

「私、君の中、いた。呪縛、出れなかった。」

えっと、どういうこと?少し混乱気味だった自分の頭をかき、テウスは不思議そうにスクティスの方を向いた。


「気になるなら、私のボード、見て。主、パートナー、ボード、見れる。」

「え?えっと、じゃぁ、ボードオープン。」

僕は頭を落ち着けて手をスクティスの方に向け、唱えた。

すると、すぐにスクティスの前に水色半透明のボードが現れた。


スクティス 女性 パートナー(主:テウス) 盾使い

体力:100/100

MP:500/500

常時所持:極上魔力盾(耐久値:??)

称号:守護神


へぇ、強そうじゃん。って、は!?

称号、"守護神"!?

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