sideナイト
シーラに男の経験がないと分かった瞬間、自分の中のどす黒い感情がほんの少しだけ和らいだ。
あの人魚の男のものになってはいなかったらしい。
だが、手放しでは喜べない。
俺がアイツのことを恋人だと言った時、シーラはそれを否定しなかった。
何なら好きだと豪語していたしな。
つまりは心で繋がっているんだろう。
それが唯一気に食わない。
心は厄介だ。
体から切り離すのは不可能なものだからな。
いっそ引き離せる物なら俺が無理矢理にでも引き離すのに。
俺の欲望でシーラの心を壊すわけにもいかない。
やろうと思えば簡単にできる、その事実が鬱陶しい。
でも今はいい。
ゆっくり追い込んで逃げ場をなくせばいいだけのこと。
外堀を埋めて、支配して、俺だけがシーラの全てを満たせると思い込ませればいい。
その為にはまず、優しい男のフリをしないとな。
この状況に持ち込めたのが奇跡だ。
これからきっとダラダラと体の関係が続くだろう。
今はそうするしかない。
「力抜いてろ、できるだけ善くしたい。」
「は…はい/////」
体だけでもいい、見えるところから俺のものにする。
「っ……。」
「あ゛っ/////」
ゆっくり優しく入り込んでもシーラは痛みに顔を歪めた。
そもそも体格差がかなりある。
痛くないはずがない。
シーラは下唇を噛んで息を止めていた。
「シーラ、なぁ、シーラ。」
「はっ…はいっ…/////」
ガチガチに緊張してるな。
これじゃあ入るものも入らない。
「ゆっくり、呼吸してみろ。」
シーラは涙目で何度も頷いた。
素直で余裕がなくて何よりも可愛い。
これからずっと一緒にいられるのか。
嬉しくてどうにかなりそうだ。
「はぁ……はぁ……」
シーラが俺の首に力いっぱいしがみついているのが分かる。
シーラが息を吸い込むタイミングに合わせて…
「ん…。」
「きゃっ/////」
さらに奥へ入り込んだ。
まずいな。
柔らかいくせにキツく絡みついて来る。
「痛っ…痛いっ…//////」
「あぁ、よく頑張ってるな?」
止まっているのがキツい。
このまま何も考えずに腰を進められたらどれだけいいか。
「ナイト様ぁ…っ////痛いよ…っ////」
そんな事したらシーラの体が壊れるかもしれない。
これ以上無理を強いれば確実に怖がられるだろう。
俺がシーラの中で恐怖の対象にすり替わるのは勘弁してほしい。
しばらく動かせそうにないな、これは。
もどかしさを誤魔化す為にシーラの唇にキスをした。
キスがこんなにも心地いいと感じたのは初めてだった。
そんなキスの最中、シーラの声色が明らかに変わる。
「っ……ぁあっ…/////」
ようやく痛みから快感へ変わったらしい。
「そのまま気持ちいいとこだけに集中してろ。」
シーラは真っ赤な顔で何度も頷いた。
何日もかけてじっくり慣らせばいい。
でも、もう少しこのままでいたい。
シーラの中に入り込めた事実が堪らなく嬉しかった。
「うぅ……っ//////」
手加減なんかするつもりはなかった。
今夜は朝まで抱くつもりだったが…
「そんなに必死にしがみ付かれたら動けない。」
「ご…ごめんなさい//////」
可愛いからいいか。
ただ、このまま何もしない訳じゃない。
「ナイト様っ…やっ////
動かさないで…/////」
これ以上奥は嫌だと言うからここで慣らす。
ほんの少しでも俺の形を覚えさせてシーラの中まで支配してやる。
「あぁっ…/////
やだやだやだぁ…/////」
シーラの足がピクピク動いているのが分かった。
足が使い物にならない魔法をかけているのにまだ動くか。
俺の魔法を上回る程の快感で反射的に足が動いてると思えば嫌なことを考えずに済む。
「あっ…////あっあぁっ///」
こんな可愛い戯れ合いで心の底が温まる感覚になった。
俺は単純すぎてどうしようもないな。
シーラが完全に俺の手の中に堕ちた訳でもないのに。
「ナイト様っ…////お腹の奥…おかしいの////
もう止まって/////」
シーラの中の動きでそれが何を意味するかはすぐに分かった。
「ナイト…////待って…!ダメ/////」
敬語を使う余裕もないらしい。
ゆっくり慣らすつもりだったがここまで感じていれば大丈夫だな。
「きゃっ///あっ…//あぁっ/////」
シーラが快感の絶頂になる瞬間に…
「っ!」
一気に全てを入れ込んだ。
その時に初めて知る、体以外の快楽。
初めてシーラを抱いた男、俺はその称号に酔いしれた。
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